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埼玉県中学校剣道交流会
10月30日(日)埼玉県立松山高校体育館
●埼玉県下の強豪校が一堂に会す
冬の足音きこえる10月の終わり、埼玉県立松山高校体育館に県内の名だたる中学生剣士が顔をそろえた。
体育館いっぱいに集まった参加者の数は200名余り。日ごろ大会等で剣を交え顔を合わせている者同士、打ちとけるまでに時間はかからず、なごやかなムードの中交流会は開催された。
●「夢があれば、どんな苦難も乗り越えられる」
この交流会は大きく分けて二つの柱にわかれている。一つは現在松山高校剣道部監督を務める伊与田勝氏による「夢があれば、どんな苦難も乗り越えられる」と題された講話と、同氏の解説による実技指導。もう一つは試合練習および、伊与田氏の教え子と各中学校の教員が元に立った指導稽古である。
伊与田氏は平成17年3月年、頚椎拡張手術により脊髄を損傷。首から下がほとんど動かなくなるという不慮の事故に見舞われた。懸命のリハビリを続けられたのは、教え子の「私たちにとって先生は、常に強い人でいてもらいたい」という言葉に奮起し、現在は一人で歩き竹刀を振れるほどにまで回復している。
伊与田氏はスクリーンを使用しながら、これまでの経緯を中学生にむかって語りかけるように説明。その上で「私は子供たちを以前のようにインターハイに連れていってあげたい、一緒に入場行進をしたいという夢があったからここまで頑張ることができた」と、夢を持つことの大切さを説いて、1時間弱におよぶ講話は満場の拍手の中終了した。
●教え子に支えられて
午後、各コートに分かれて試合練習を行なった後は、伊与田氏が教鞭をふるった朝霞高校、川越初雁高校、松山高校の3校の教え子で現在は警察官、教員、実業団の社会人と大学で活躍する教え子に加えて現役の松山高校剣道部の生徒たちが元に立っての指導稽古がはじまった。
伊与田氏の身体が不自由になってから、部活動の指導はOBや教え子の協力が必要不可欠となっている。有志が代わる代わる同校を訪れては、伊与田氏の手足となって指導を施す。この交流会でも歴代の教え子たちがズラリとならび、伊与田氏の指導のエキスを中学生剣士にしっかりと注入した。
「私が教員でいられるのもあと数年です。今度は協力してくれる教え子たちと一緒に、生徒をインターハイに連れていきたい」(伊与田氏)
早朝からはじまった交流会は、夕暮れ迫る時間に終了。中学生剣士はたっぷりと汗を流し、「夢」という一文字を胸に刻んでそれぞれ帰路に着いた。
【記事提供】平木貫之
【写真提供】安澤 雅道/宇野 正幸
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