3月28日 第19回 全国高等学校選抜剣道大会
女子高校剣道界の名門中の名門同士の決勝戦となった。2度目の優勝を目指す赤・守谷と、過去に5回優勝している白・阿蘇。両校の決勝までの勝ち上がりを見ると、紙一重の勝負をモノして来ている。ここまでくると、両校とも勝利への執念は「互角」と考えられる。となると、試合の流れを作り、また、「運」を見方に付けたほうが勝つ事になるだろう。
先鋒、守谷・西は足を使いながら、面や小手で先手を取ろうとする。阿蘇・田中は堂々とした構えから、鋭く踏み込み、間合いに入って行く。
試合終盤、鍔競りから分かれて構え、西が攻め入ろうとした起こりに手元が上がった。その瞬間を田中が見逃さず、小手を決め先制する。返したい西だったが、田中は西の小手の打ち終わりを狙い、面を放ち二本目を奪った。
次鋒、阿蘇・浅尾は、小手をタイミングよく出す。序盤は、比較的落ち着いた試合展開。
試合中盤、守谷・岡本が引き面を放ち、それを追った浅尾は小手に飛び込むも、岡本は迎え撃つように面を打ち先制する。岡本は、その後も浅尾の攻めに動じず、一本勝ちをする。
中堅、守谷・比佐、阿蘇・垣田、互いにじっくり攻め合う。
両者とも一打一打に集中し、相手の打ち終わりは狙うが深追いはしない。有効打はなく、引き分けに終わる。
副将、阿蘇・松原から仕掛けていく場面が続く。守谷・城は竹刀または、間合いを詰めしのぎ、松原の隙を狙い打つ。
試合中盤、城は間合いを詰め小手を放つも、松原が小手返し面を決め先制する。
チームの状況を考えれば、何としても一本返したい城は、鍔競りから引き面を放った。松原に素早く間合いを詰められ、城は体勢不十分なまま面を放ったがかわされた。逆に松原は、それを狙ったかのように面を放ち二本目を奪った。この二本目の面は、チームの優勝を決める大きな一本である。
大将戦、開始の立ち合いで抜き胴を狙った守谷・高橋。阿蘇・渡邉は、その抜き胴の打ち終わり狙い、高橋の体勢が整っていないところへ、鋭く面を放ち先制する。
その後、構え合った状態からジワジワと高橋が間合いを詰め、渡邉は下がらされる。そこへ高橋が思い切った飛び込み面を放ち、面を奪い一本返す。
終盤、鍔競りからお互いに分かれた状態から、また高橋がプレッシャーを掛けながら相手の間合いに入り、渡邉の竹刀を制し、飛び込み面を決めた。大将戦の前にチームが負けたとは言え、諦めない執念を見せつけた。
阿蘇が8年ぶり大会最多の6度目の優勝を果した。
|
|
|
|
|