11/20 第57回関東学生剣道新人戦大会
11月20日(日)、東京都足立区・東京武道館にて第57回関東学生剣道新人戦が行なわれた。
この大会は大学1,2年生のみに出場権が与えれる。
試合は7人制団体戦、試合時間4分3本勝負(引分けなし)で行なわれた。
序盤戦の注目カードは中央大対早稲田の一戦。
接戦になると予想されたが、中央が先鋒から五将まで一本勝ちで三勝のリードをとる。
対する早稲田は実力者を揃えた布陣で巻き返しを狙うが、中央が守りきり3対0で駒を進め、四回戦の専修大にも勝利した。準々決勝の日体大戦では、先鋒、五将、中堅、三将が勝利を収めベスト4進出を決めた。
前回大会優勝の筑波は四回戦で日大と対戦、同勝者同本数で迎えた大将戦で筑波・山下が序盤にコテを決め先制。日大大将・藤井も果敢に責めるが山下が有効打を許さず、筑波が準々決勝へと駒を勧めた。
筑波の準々決勝の相手は慶應義塾大。慶應は五将・古田が筑波・大坂から合メンで一本勝ちを収めリードする。その後両校は決め手を欠き、後がなくなった筑波の山下も果敢に慶応の大将・鶴海を攻め、惜しい打ちも何本かあったが鶴海は一本を許さず、慶応がベスト4進出を決めた。
法政大は、去年高校剣道を沸かせた千葉(安房)・北川(桐蔭学園)・東郷(九学)がメンバーに名を連ね、副将にインターハイ個人優勝の実績を持つ塩谷(明徳義塾)、大将に一年時の全日本学生個人ベスト8の秀徳ら豪華布陣で「優勝候補筆頭」と言って過言はなかった。
法政は四回戦で明治大学と対戦。明治は先鋒・樫原が法政・日下に引き分け、法政次鋒・伊藤が二本勝ちし勢いを付けるが、法政五将・東郷が明治・大貫からコテを奪って一本勝ちすると、法政が波に乗り三将から大将まで全勝し、結果4-1でベスト8に進んだ。
法政の準々決勝の対戦相手は前回準優勝の国士舘。試合展開は、國士舘が中堅まで2-1とリードし、国士舘三将・木村が一本を取って流れを国士舘ペースなると思いきや、法政・塩谷が逆転で二本取り返し、副将が引き分け。大将戦の試合終盤に法政・秀徳が国士舘・菅野から抜き胴をかわし引き面を決め、これが決まり手となり、法政のベスト4が決まった。
ベスト4最後の一枠は国際武道大と神奈川大学の一戦。神大が次鋒、五将をとり、流れは神大かと思われたが、国武大の中堅、三将が勝利し同勝者数同本数の大将戦となる。最後は国武大・齋藤が神大・宮尾からメンを奪い、ベスト4に進出を決めた。
準決勝は、筑波を下した慶應と二年連続のベスト4に入った国武大。
試合展開は、慶応が先鋒戦を取るが、国武大も次鋒戦を取り返す。五将、中堅が引き分け、三将、副将の両試合を慶應が二本勝ちし、慶應の勝利が決まった。
もう一方のカードは、圧倒的な強さでベスト4に残った中央と、明治、国士舘を破り波に乗る法政。
先鋒次鋒と両者決め手を欠き引き分けに終わると、五将戦は中央・榎本と法政・東郷の同門対決となった。試合中盤に東郷の打ち終わりを榎本がコテを決めて先制し、一本勝ち。しかし中堅戦では中央・石川が反則を取られたあとすぐに法政・千葉が飛び込み面を決めて、スコアをタイに戻し、大将は引き分けとなり、勝負は代表戦へ。
代表戦は、中央は大将・宮本(大)。法政も大将・秀徳がでてきた。接戦が予想されたが、開始二分過ぎに中央・宮本がコテを決めて中央が決勝進出を決めた。
決勝戦、慶應は第13回大会(S.42年)以来の決勝進出、初優勝を目指す。
対する中央大は、優勝12回、準優勝7回、第40回から今大会(第57回)でも決勝進出11回(優勝5回)と圧倒的な存在感を出している、相性の良い大会といえる。
会場の注目を集めた決勝戦は、先鋒・次鋒が引き分け、五将戦は慶應・古田、中央・榎本の九学同級生対決となった。お互い果敢に責め合い一歩も引かない展開となったが試合中盤、古田の竹刀が榎本にひっかかり左肩を負傷し試合続行不可能となり、古田の不戦勝ちとなる。榎本はこの大会絶好調だったため、悔しさがのこるものとなった。
中堅戦、中央・堀が一本勝ちで勝利を収める、三将は有効打突を取り合い引き分けになり、慶應が本数差リードで副将を迎える。中央副将・宮本(浩)はメンを決めると立て続けに合い小手面を決め、中央リードで大将となる。
大将戦、中央は引き分け以上で優勝が決まり、慶応は「一本勝ち」以上で代表戦という状況になった。 ここで意地を見せた慶應大将・鶴海は中央大将・宮本(大)から引き面を決めて、このまま勢いに乗るかと思われたが、宮本が逆転で二本取り返し、結果3‐1で中央が優勝を決めた。
中央は9月の関東学生、10月の全日本学生の両大会で準優勝という悔しい結果に終わっているだけに、この新人戦での優勝は来年度の大会への大きな一歩となっただろう。
動画撮影/文章・協力 3打数0安打さん
※ご協力、ありがとうございました!
LET'S KENDO
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●結果
優勝 中央大学 |
敢闘賞(ベスト8) |
●試合レポート
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●準々決勝 |
●序盤 |