2014/3/27,28
第23回全国高等学校選抜剣道大会
平成26年3月27日〜28日、愛知県・春日井市総合体育館にて第23回全国高等学校選抜剣道大会が開催された。
大会1日目は男女とも3校リーグ戦が行なわれた。
男子予選リーグ、Aブロックは高千穂が2勝(対湯本、対琴平)で決勝トーナメントへ進出を決めた。Bブロックは、優勝候補・育英と前々回大会優勝の本庄第一が顔を揃え、直接対決の大将戦で本庄大将が試合終了数秒前に面を奪いチームを引分けに持ち込んだ。両校とも龍谷富山に勝利し、勝者数で本庄第一が上回りリーグ突破を決めた。C・浜名、D・龍谷大平安、E・水戸葵陵が、それぞれ2勝で決勝T進出を決めている。
Fリーグは高山西と過去2回の優勝を誇る帝京第五の直接対決は引き分け、盛岡第一戦では両校とも勝利しリーグ1勝1分け、勝者数差1で高山西が1位通過となった。
高い屈指の激戦リーグとなったG、奈良大付と島原が引分け、そして島原の2試合目となった高輪戦を2-1で勝利した。この時点で上位進出が期待された高輪の決勝トーナメント進出がなくなる。奈良大は高輪戦で勝利すればリーグ突破の可能性も残されていたが高輪が2-0で勝利し、島原が1勝1分けでリーグ突破を決めた。
H1位・愛工大名電(2・津山工業、3・啓新)、I1位・桜丘(2・酒田光陵、3・鹿児島商)の愛知勢、J1位・小山(2・和歌山東、3・横田)がそれぞれ2勝で勝ち上がった。Kリーグは混戦となったが仙台育英が1位通過(2・上宮、3・前橋)、そしてLリーグは優勝候補・九州学院が新潟第一、城北を圧倒し決勝トーナメント進出。
M1位・東海大第四(2・草津東、3・星稜)と、N1位・東海浦安(2・大分舞鶴、3・津田)とそれぞれ1勝1分けで勝者数差で勝ち上がった。そして、O1位・東海大相模(2・西京、3・長野商)、P・筑紫台(2・高知小津、3・秋田商)それぞれ2勝で決勝トーナメント進出を決めた。
女子予選リーグ、強豪校の動向は、B・島原が東海大菅生、興譲館を破り1位通過、D・守谷が明徳義塾、星城に連勝しリーグ突破を決めた。G・東奥義塾は米子松蔭に勝利、磐田西に引分け、1勝1分けで1位で勝ち上がる。
強豪校がそろったHリーグ、筑紫台が埼玉栄、日吉ヶ丘を破る。Lは新潟商が健大高崎、地元・岡崎城西に連勝する。Mの桐蔭学園、甲子園学院、白石の3校とも1勝1敗の三つ巴、勝利者数で桐蔭学園がリーグ突破を決めた。Pは高松商とPLが富山北部にそれぞれ勝利し、3戦目の直接対決で高松商が2-1でPLに競り勝つ。そしてPリーグは前回大会優勝校の麗澤瑞浪が樟南、宇都宮文星に勝利し決勝トーナメント進出を決めた。
男子・九州学院、女子・麗澤瑞浪 大会2連覇
男子準決勝、島原が高千穂を1-0で下し、初の決勝進出 優勝校を決める大会2日目は、男女とも決勝トーナメント1回戦(決勝T1、ベスト16)から始まった。
男子決勝T1、高千穂と本庄第一の一戦は、高千穂が先鋒、中堅をとり2-0で勝利、浜名対龍谷大平安は代表戦で平安が勝利する。水戸葵陵は高山西に、島原は愛工大名電に土をつけさせず勝利。
決勝T1回戦で一番会場を沸かせたのは地元・桜丘だった。小山を相手に先鋒から副将まで連勝し4-1し勢いを見せつけた。九州学院は仙台育英相手に先鋒次鋒を連勝し2-1で勝利し、東海大対決となった東海大四対東海大浦安は2-0で浦安に軍配が上がった。
やはり注目が集まる「福岡代表」筑紫台は、東海大相模と対戦。先鋒を相模、次鋒、中堅を筑紫台が取り1勝リードで大将戦となる。筑紫台の大将は百田。昨年のインターハイ個人福岡代表選手だ。しかし、ここで意地を見せた相模大将・棚本は、百田が間合いを詰めてきたところに合わせて面を放ち先制、さらに試合終盤でも同じようなタイミングで面を奪い2本勝ち、2-2、本数差1で東海大相模が逆転でベスト8進出を決めた。
女子準決勝、島原が大将戦を制し、筑紫台を1-0で下す。女子決勝T1は、接戦になる試合もあったが優勝候補、強豪校が順当に勝ち上がった印象だ。準々決勝に進んだのは島原、守谷、安房、筑紫台、広島翔洋、新潟商業、桐蔭学園、麗澤瑞浪。
決勝T1回戦では島原が和歌山工業に大将戦で勝利、安房は済美に大将戦の末2-1と接戦をものにした。
守谷は日章学園に先鋒、中堅、大将を取り3-0、筑紫台は東奥義塾を前三人で勝負をつけ、麗澤瑞浪は高松商業に先鋒戦を落としたが後ろ三人が勝利し3-1で準々決勝進出を決めている。
男子準決勝、九学が東海相模を2-1で勝利。 男子準々決勝、伝統校・高千穂と新鋭・龍谷大平安の一戦は本戦1-1、代表戦となり再び大将同士の試合は10分を超え、最後は高千穂・染矢が攻めて面を放ち平安・道嶋から1本奪い勝利した。水戸葵陵対島原は前二人が引分け、島原中堅・藤川、副将・藤野が連勝しチームの勝利を決め、更に大将戦にも勝利し3-0で準決勝進出を決めた。
決勝T1回戦で圧巻の試合を見せた桜丘であったが、優勝候補筆頭の九州学院が次鋒・槌田、副将・持原が勝利し2-1で準決勝へ駒を進める。東海浦安は2戦連続で東海大系対決、東海大相模との対戦した。相模次鋒・井出、中堅・小田倉が勝利し、浦安を窮地に追い込む。浦安はそれまで大将だった甕を副将に変えた作戦があたり二本勝ちし大将戦に持ち込むも、相模大将・棚本がこの試合でも2本勝ちで勝利し3-1で初の準決勝進出を決めた。
女子準々決勝、島原対守谷は、守谷中堅・太田が1本勝ちするも島原大将・進藤が守谷・後藤から1本勝ちし代表戦へ持ち込む。守谷・太田、島原・進藤の試合は進藤がタイミング良く小手を放つが旗は上がらず20分迫る長期戦となる。最後はお互いに攻め合った近い間合いから相面となり一瞬早く動いた進藤の一本となり勝利した。
そして、安房対筑紫台も代表戦にもつれ込む一戦となった。本戦は、筑紫台が先鋒、中堅が勝利するが安房を落とした試合のあと次鋒、副将で取り返す。代表戦は、本戦の大将戦で引き分けた安房・水林、筑紫台・松本。両選手ともやや慎重な試合運びとなったが、最後は相面で松本が競り勝ち、チームを準決勝へと導いた。
広島翔洋と新潟商業は、新潟商中堅・大野が上段から相手の竹刀を払い諸手面を決め1本勝ち。この1勝により新潟商業が準決勝進出決めた。
女子準決勝、麗澤瑞浪が2敗からの3連勝で新潟商業から勝利 前回王者・麗澤瑞浪は桐蔭学園と対戦し、桐蔭先鋒・木村、次鋒・長谷川でが連勝し優位に後半戦を迎えるも、麗澤中堅・片山、副将・佐藤が勝利、大将戦、桐蔭・田中が立て続けに場外へ2回出てしまい、麗澤・小角に1本となる。そのまま試合終了となり、麗澤瑞浪が3−2で勝利した。
男子準決勝、高千穂対島原戦、島原先鋒・黒川が高千穂・岩切から試合開始早々に面へ飛び込み先制。しかし黒川は鍔競りから場外へ出てしまい、さらに試合終盤に岩切に竹刀を払われ反則2回で1本与えてしまい引き分け。次鋒戦、高千穂上段・黒木に対し、島原・黒川は、試合中盤に黒木の片手小手をかわし体勢が崩れたところへ面を放ち有効打を奪い1本勝ち。その後は引分けが続き大将戦、高千穂・染矢は勝利が絶対条件の中、島原・牧島は守る事なく攻め続け、染矢にペースを与えず試合は引き分け、島原が1-0で決勝進出を決めた。
九州学院と東海大相模の準決勝は、相模先鋒・齋藤が試合終盤に九学・山本の攻め際の手元が浮いた瞬間を見逃さず小手を奪い1本勝ち。次鋒戦は九学・槌田が相模・井出から鍔競りからの引き胴を決め1本勝ちし、さらに九学中堅・寺田が相模・小田倉へ鋭く攻めて面、さらに近い間合いから竹刀を払い前へ出て面を決め2本勝ち。副将戦は引き分け、大将戦での逆転を狙う相模。今大会、相模大将・棚本は大将で勝利を重ねてきていたが、強豪選手ひしめく九学で大将をつとめる山田を崩すことができずに引分けとり、九学が3大会連続の決勝進出を決めた。
男子決勝、九学が先鋒、中堅、大将を取り3-0で島原を下し2連覇を決めた 女子準決勝、九州強豪対決となった島原対筑紫台は、接戦を極めた。先鋒から副将まで引分ける。副将では筑紫台・日高が島原・藤崎から相面で競り勝ち先制するが、試合終了間際に藤崎が攻め小手を奪い引き分けている。大将戦、島原大将・進藤が試合終盤に筑紫台・松本から面を奪い、松本は奪い返すために積極的に攻めるが進藤が面に小手を合わせ2本勝ち。島原は初の決勝進出を果した。
決勝は会場中央に特設試合場が設けられ、女子決勝の島原対麗澤瑞浪が先に行なわれた。昨年の佐賀インターハイと同一カードとなり、その時は島原が勝利している。新チームでの対戦はどのような結果になるのか。
今大会、両チームともここまでの試合で、先鋒選手が乗り切れずにいた。麗澤瑞浪は、今大会初出場となる上段・相原を先鋒にすると、島原・本多から試合終盤に相手の動き出しに合わせて諸手小手で先制し1本勝ち。次鋒戦は島原・堤が試合序盤に鍔競りから両者が離れたところから面へ飛び込み先制し、そのまま1本勝ちとなる。中堅戦、試合中盤に島原・竹中が開始線から小手を放ち旗が上がる場面もあったが有効打にはならず、終盤に麗澤・片山が鋭く攻め入り面を放ち1本奪い勝利する。
副将戦、負けられない藤崎はやや動きが固く、打ち切る事ができない。また麗澤・佐藤も慎重な試合運びとなり、引分けとなる。
大将戦、麗澤・小角、島原・進藤の対戦。進藤は「勝利」が絶対条件となる厳しい状況だ。
やはり進藤が攻め、手数多く打ち入る。しかし、小角は巧みに捌き、進藤の打ち終わりや一瞬の隙を探す。進藤は攻め続けるも有効打を奪うことができず試合時間終了のブザーを聞くと肩を落とし、そして麗澤瑞浪の2連覇が決まり会場から拍手がわき起こった。
女子決勝、序盤で星を奪い合い2-1で麗澤瑞浪が島原を下し優勝を果す。 大会のフィナーレ、男子決勝、島原対九州学院となった。
島原は予選リーグからメンバーの入れ替えはおこなっていないが、九州学院は副将、大将は固定し、前三人を入れ替え勝利を重ねてきた。
先鋒戦、九学・米村、島原・黒川となった。試合は先鋒らしい、スピードのある試合展開となった。試合が動いた終盤、鍔競りから別れ合い構えた状態から米村が面に飛び込み先制し、1本勝ち。続く次鋒戦、九学はほぼすべての試合で次鋒となった槌田、島原は大石。この試合も攻め合い手数の多い見応えある一戦となったが、両選手とも有効打を奪うことが出来ず引分けとなった。
中堅戦、島原・藤川に対し、九学は寺田。両選手ともキレのある動きで見応えのある一戦となった。五分の展開が続いていたが、試合終盤に寺田が藤川の攻めに合わせて小手を放ち一本奪うと、残り時間は少なく藤川は返す事ができず、寺田の一本勝ちとなった。
副将戦、島原・藤野、九学・持原の一戦。この試合が引分けとなれば九学の優勝が決まる。この試合で藤野は焦って打ちに行く事はなく、平常心の試合展開を見せた。試合終盤になるにつれ藤野からの攻めが目立つようにあるが、持原の実力は周知であり崩す事ができずに試合時間を使い切り引き分け。ここで九学の優勝が確定した。
大将戦、九学・山田が試合開始早々に島原・牧島の手元が上がったところへ小手を決める。更に試合中盤の開始線からの立会いで面に飛び込み2本勝ち、九州学院が2年連続6回目の優勝を果した。
※試合レポートは、このページの下の方です。
※4/19 【1本集】男子準決勝、準々決勝(各詳細ページに掲載)
※4/16 【1本集】男子決勝(男子決勝ページに掲載)
※3/31 男女準々決勝
※3/31 男女準決勝
※3/30 男女決勝
※携帯・スマホ等で動画をご覧頂く方は【LET'S KENDOサテライトブログ】
※4/5 男子予選リーグ
※4/2 男子決勝トーナメント1回戦
※3/30 男女準々決勝
※3/29 男女決勝〜準決勝
●結果
●男子 |
男子・ベスト8 |
●女子 |
女子・ベスト8 |
●優秀選手 |
【女子】 |
|
●表彰式
開会式
閉会式
男子
女子
●トーナメント表
男子決勝 |
男子準決勝 |
男子準々決勝 |
女子決勝 |
女子準決勝 |
女子準々決勝 |
男子 決勝T1回戦 |
男子予選リーグ |