2014/7/5〜6
第62回全日本学生剣道選手権大会
第48回全日本女子学生剣道選手権大会
第61回全日本学生剣道東西対抗試合
第8回全日本女子学生剣道東西対抗試合
●7/6【男子】中央大学・梅ヶ谷翔が1年生、初出場・初優勝の快挙!!
男子、ベスト4
会場となった日本武道館。11月の男子団体戦は大阪開催。 平成26年7月5,6日、東京・日本武道館にて第62回全日本学生剣道選手権大会、第48回全日本女子学生剣道選手権大会、第61回全日本学生剣道東西対抗試合、第8回全日本女子学生東西対抗試合が開催された。
男子176選手、女子88選手がエントリーし、男女大学日本一を決める。
試合は選手権、試合時間は男子5分、女子4分、3本勝負。延長戦は時間を区切らずに勝負の決するまでおこなわれる。
東西対抗は男20人制勝ち抜き団体戦、女子10人制勝ち抜き団体戦、試合時間は男女とも3分3本勝負の勝ち抜き戦。大将戦に限り、試合時間内に勝敗が決しない場合に延長戦をおこなう。
7/6、男子選手権、東西対抗が開催された。
前回大会での、村瀬(日体大)と高倉(國士舘)の当時2年生同士の決勝戦に驚きを隠せなかった人も多くいたことだろう。さらに高校時代の実績では水戸葵陵出身の高倉が知名度、実績を日体荏原出身の村瀬を上回ってたにもかかわらず、見事に村瀬が優勝するサプライズとなった。
決勝戦,中大1年・梅ヶ谷が村瀬から延長で面を奪い優勝 そして今大会、さらなるインパクトを与える決勝戦となった。
その一人は村瀬(日体大3年)が2年連続の決勝進出を果たしたのだ。村瀬は日ごとに実力を付けている印象をあたえ、学生剣道界でも存在感を示している。5月の関東学生では出場決定戦(敗者復活戦)により今大会への出場権を得る事ができたが、それは前回大会も同様であり、そこから全日本学生優勝にこぎつけていることを考慮すると、今大会でも優勝候補の一人として考えていた。
中大勢はベスト8以上に3選,優勝・梅ヶ谷,三位・永井,ベスト8に村上が入賞した もう一方の決勝進出者は、関東学生出場枠唯一1年生での出場となった梅ヶ谷翔(中大)。3月までは名門・福大大濠大濠の高校生だった選手だ。昨年の佐賀インターハイへの出場は叶わなかったが、玉竜旗の決勝で4人抜きの大逆転劇を演じ優勝した立役者だ。
梅ヶ谷は大学入学3ヶ月で、学生剣道日本一になろうとしていた。
強豪選手の動向、上位戦を振り返ってみる。
まず、西の強豪・鹿体大、今大会には前回大会ベスト8・水森、4年生・中武、権丈、そして九州学生二位・持原ら9名がエントリーしたがベスト8に進出できない、寂しい状況となった。鹿体大は男女とも悔しい結果となった。
逆に今大会の最大勢力となったのが中央大勢だ。梅ヶ谷の決勝進出のほか、3位に永井(2年)、ベスト8に村上(2年)の入賞者が3名、さらに3名とも1,2年生だ。
諦めない気持ちで大きく飛躍,今村(大体大)が三位入賞 永井は序盤戦から福大・窪、國士舘・木村、早大・大浦と強豪選手との対戦が続き、準々決勝では関東学生王者・林田(筑波)との対戦では、試合終盤に一瞬足の止まった林田から面を奪い1本勝ち、そして準決勝では村瀬(日体大)と対戦し15分にも及ぶ延長戦の末、小手を奪われ姿を消したが、堂々たる試合ぶりだった。そして村上は4回戦で中冨(東海)、5回戦で太田(国武大)に勝利したが、準々決勝では村上も村瀬の前に敗れた。
上位進出を期待された竹ノ内(筑波)であったが5回戦で村瀬諒(日体大)に敗退した。 この結果を見ると9月の関東学生団体、そして11月の全日本学生団体でも各学年の強豪選手をバランス良く配置し、上位戦線にからんでくる事は間違いないだろう。
関東学生二位・北川(法政)は3回戦で國士舘・村冨に敗退。その村冨は5回戦で梅ヶ谷(中大)と長い延長戦の末に敗れた。国士舘勢は前回大会2位・高倉が4回戦で国武大・太田に敗退、総勢8名で挑んだが上位進出選手がいなかった。数年前の石田や安藤がいたころに比べると、少し勢いが落ちている印象だ。
激戦ブロックとなった第6試合場。竹ノ内(筑波)、兵藤(中大)、望月(鹿体大)、長谷川(明治)、村瀬諒(日体大)と錚々たる選手がかたまった。2回戦で長谷川と望月が長い延長の末、長谷川が反則勝ち、3回戦では長谷川が村瀬と対戦し村瀬が勝利、4回戦で竹ノ内と兵藤の一戦は面を奪った竹ノ内が勝利し5回戦最注目の一戦、竹ノ内対村瀬が対戦。両選手とも豪快な面の印象が強いが小手、胴さらにツキとすべての有効打突を使いこなす。試合は竹ノ内から仕掛ける場面が多かったが、警戒し合い思い切った打ちが出せない状況が続く。試合終盤にさしかかった頃、村瀬がこの試合で初めて面を放つと竹ノ内はよけ切れず面有りとなり、この一撃で村瀬が1本勝ちで勝利した。
2連覇まであと一歩だった村瀬(日体大)。その試合ぶりは堂々としていた 準々決勝、関東勢以外で唯一のベスト8進出となった今村は大体大3年生、小柄でスピードがあり熊本・鎮西高校出身の選手だ。4回戦で村瀬達(日体大)、5回戦で水森(鹿体大)を下し、準々決勝で村上(法政)との対戦では延長で小手を決め勝利した。準決勝の梅ヶ谷戦は延長戦の末、今村が勝負にいった面に梅ヶ谷が小手を合せられ敗退した。今村は鎮西高校時代にレギュラーとして活躍できなかったという情報を耳にしたのだが、諦めず続けていれば好成績を残せる事を証明してくれた。
決勝戦、優勝した選手は記憶とともに大記録としても大会に名を残す事だろう。過去2人しかいない大会連覇(S34・35大会・川上(関西大)、H5・6大会・安藤(國士舘))を狙う村瀬と、1年生優勝もまた過去2人、H12大会優勝者・宮川(筑波)以来の王者を狙う梅ヶ谷。
試合は村瀬が試合開始と同時に面を放つ。気合いを掛け合う両選手。一撃一撃に拍手が巻き起こる。
梅ヶ谷が多彩な小手技で試合を組み立てる。村瀬は間合いを詰めながら梅ヶ谷の攻めをさばき、機会を見極め単発ながら鋭い打ちを見せる。両選手とも有効打を奪えず本戦5分は瞬く間にすぎ延長戦へ。
延長戦は静かな展開がつづくが、その中でも先に仕掛けるのは梅ヶ谷、村瀬は虎視眈々とその時を狙っている印象だった。最後は攻め続けた梅ヶ谷が村瀬をとらえた。試合開始から約9分、それまでの梅ヶ谷は竹刀を払うなどしながら小手等を狙っていたが、最後は一足一刀からまっすぐ直線的に面を放ち村瀬の面を打ち抜き1本奪い、1年生王者・梅ヶ谷が誕生した。
●東西対抗は東軍が6年連続の優勝
東西対抗、東軍副将・兵藤(中大)が西軍大将・開(福教大)を下し、東軍が優勝。 選手権終了後に東西対抗試合が開催され、通算成績は東軍43勝、西軍16勝、引分け1となっており、H21大会以降は東軍が5連勝中である。
試合は20人制団体戦、勝ち抜き戦。先鋒戦は引分け、西軍2番手・竹政(松山大)が1勝するも、東軍3番手・黒木(東北学院)が2勝1引分け、4番手・村瀬(日体大)が4勝1引分けと会場を沸かせつつ東軍のリードを広げたが、西軍は中盤以降、10番手・野田(同大)、中堅・小倉(大教大)、12番手・村上(松山大)がじわじわと差を縮めていく。
東軍中堅(11番手)・竹ノ内(筑波)が登場し一人抜き、西軍13番手・小笠原(関学大)と竹ノ内は引分けたため、その差を広げることができなかった。
終盤戦、西軍副将・島崎(関学大)が登場した時、東軍は17番手・遠藤(東北学院)、東軍にはまだ後ろに3人が控えている状況。
西軍・島崎が遠藤を抜き、東軍18番手・西村(早大)で引分け、西軍大将・開(福教大)と東軍副将・兵藤(中大)の対戦となった。本戦3分では決着がつかず、大将出場時のみ適応される延長戦となり、最後は兵藤が鋭く低く攻め開から小手を奪い、東軍大将・北川は不戦のまま東軍優勝を決めた。
●7/5【女子】 法政大・松本 悲願の選手権を制す
決勝、松本(法政)が川崎(早大)から延長で面返し胴を決め、悲願の初優勝 7月5日(土)大会1日目、開会式とともに第48回全日本女子学生剣道選手権大会、第8回全日本女子学生東西対抗試合が開催された。
女子選手権へは各地方予選を勝ち抜いた88選手が大会へエントリーしていたが、優勝候補・高橋(法政)はケガにより大会を欠場となり、注目選手だっただけに残念な知らせとなった。
その法政勢は、関東学生で1年生ながら3位入賞を果した端は、1回戦で敗退という厳しい結果となった。
そして優勝候補筆頭・松本(法政)の動向に注目した。松本は1年、3年生時に関東学生選手権を制し、5月の同大会でも3位に入賞。全日本女子学生では1年生時に準優勝し、さらに全日本女子選手権、世界大会へ出場するなど女子剣道界が注目する活躍を見せているが、優勝の栄冠を手に入れる事ができないでいた。
松本はシード2回戦から登場、4回戦では関東学生準々決勝で対戦した上田(明治)と対戦し、15分以上に及ぶ延長戦を得意の面で制す。
準々決勝では上段・川本(立命館)との対戦し、延長開始早々に川本の片手面に旗1本が上がる場面もあったが、最後は松本が川本の打ち終わりに引き面を合わせて勝利し、準決勝進出を決めた。
直近4大会で鹿体大勢が優勝3回(H22・橋本、H23,25・津田)と強さを見せていたが、今大会ではベスト8進出する選手がいなかった。
入れ替わるように駒澤大、矢上、和栗の2選手がベスト8に進出した。
初出場ながら決勝進出を果した川崎(早大)。 今大会、台風の目となったのが早大・川崎、まだ1年生でありながら関東学生ではベスト16に進出し出場権を得た。
川崎の存在を示した最大の試合は、4回戦で関東王者・渡邊(日体大)との20分以上の接戦を、最後は豪快に面を決め勝利したことだろう。その勢いを保ちつつ準々決勝では、駒澤2年・和栗対戦。積極的な試合展開を見せた和栗であったが、延長で川崎が鍔競りからタイミングを外した引き面で1本奪い、準決勝進出を決めた。
準決勝、川崎は秋田(近畿大)と対戦。やや小柄な選手同士、動きを止めず攻め合うスピーディな展開。試合は延長となり、近い間合いから面を狙った秋田だったが、初動で手元が上がった瞬間を川崎が小手を放ち1本となり、初出場にして決勝進出を決めた。
一方、松本は中四国王者・中川(広島大)と準決勝で対戦。中川は3回戦で大体大・佐野、4回戦で後藤(筑波)と序盤から強豪選手との対戦を乗り越え、準々決勝では関東学生二位・矢上から面を奪い勝利し、準決勝で松本と対戦することとなった。
試合は松本が攻める場面が多かったが、中川も反応よく対応し有効打を許さず、松本の打ち終わりや果敢に面を狙うシーンも見られたが、松本の牙城を崩す事はできず、延長で松本が引き面を決めて勝利した。
決勝戦、2度目の決勝進出、集大成を見せたい法政大4年・松本と、新時代を切り開くべく勝ち上がってきた早稲田1年・川崎。
試合は会場中央の特設会場にておこなわれた。松本は序盤戦からの疲れは見られず、スピード、キレとも落ちていない印象、攻守ともメリハリをつけている。一方、川崎は準決勝までの試合よりやや手数が少なく、思い切った打ちを見せるもあと一歩届かない。本戦4分は瞬く間に過ぎ延長戦へ。試合開始から10分以上、松本の攻めは緩まず最後は鍔競りから分かれ近い間合いから川崎が面を放つも、松本は狙いすました返し胴を見せ1本奪い、悲願の全日本女子学生選手権を制した。1年生ながら決勝まで進み、大健闘を見せた川崎の今後の活躍にも期待したい。
選手権後には、全日本女子学生東西対抗試合が開催された。東西対抗は10人制団体、試合時間3分、勝ち抜き戦。過去大会では西軍が5勝2敗と大きく勝ち越している。
試合は、西軍七将・上段の袖本(龍谷大)が東軍七将・矢上(駒澤)から六将・稲葉(仙台大)まで3人抜きで2勝リードするも、東軍中堅・鈴木(筑波)が袖本を止め、鈴木が3試合し2勝1分け、次戦は東軍・西軍とも四将同士まで試合を戻す。
四将から副将戦までの4試合はすべて引分け、勝敗は大将戦の結果次第となった。
大将戦、東軍・松本(法政)、西軍・木村(大体大・関西王者)の一戦は本戦3分では決着がつかず、大将戦のみ適応される延長戦へ。
松本が引き小手を放ちライン際の背中が狭い状況で、木村が素早く間合いを詰め追い込み面を放ち、松本の面をとらえたが旗は上がらず。その後は一進一退の攻防を繰り広げ、最後は松本が打ち合いの中で木村の手元が浮いたところへ小手を狙い一本奪い、東軍を勝利へと導いた。
【一本集】
男女決勝〜準々決勝(男子5回戦まで)
※試合レポートは、このページの下の方です。
※7/15 男女準決勝、男女東西対抗、一本集
※7/10 男女決勝
※【LET'S KENDOサテライト・ブログ】
※7/15 男子5回戦、男女東西対抗
※7/10 男女準々決勝
※7/8 男女決勝〜準決勝
※【出場選手一覧・過去戦績】はこちらから!!
●結果
●全日本学生剣道選手権大会 |
●全日本女子学生剣道選手権大会 |
●全日本学生剣道東西対抗試合 |
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●試合レポート
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【女子決勝】 |
【男子準決勝】 |
【女子準決勝】 |
【男子 準々決勝】 |
【女子 準々決勝】 |
【男子 序盤】 |
【男子 東西対抗試合】 |
【女子 東西対抗試合】 |
【出場選手一覧】 |