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【優勝インタビュー】大阪 大将・平田裕亮、先鋒・石塚太陽【全日本都道府県大会2023】

更新日: 2023/6/19

4月29日に大阪にて開催された第71回全日本都道府県対抗剣道優勝大会で、地元・大阪が14年ぶり16度目の優勝を果たした。

大阪チームは初戦となった2回戦で栃木県では大阪先鋒・石塚が二本負けする厳しい展開となったが次鋒・林、五将・山崎で取り返し一進一体の末に4-2で勝利すると、3回戦から先鋒・石塚も息を吹き返し長崎県を5-1、準々決勝の静岡、準決勝の千葉をそれぞれ2-1の接戦を制して決勝へ進出した。

優勝をかけた福岡県との対戦では、大阪五将・山﨑、中堅・吉田、三将・草野の三連勝で優勝を決め大将戦でも平田が勝利を収めて試合を締めくくり、4-1で大阪の優勝が決まった。

大阪チームは短い準備期間だったが試合では不利な状況でも取り返し、選手同士の意思の疎通を感じる歯車が噛み合った試合展開だった。

インタビュー

大将・平田裕亮(警察職員)

(このチームで)団体戦として試合をするのは初めてでした。練習試合をすることができず、稽古を4月に入ってから土日にやっていました。

選手たちはいろいろなところで経験を積んでいるので、自分のポジション・役割というのをわかった戦い方で、それを果たした結果だと思います。

試合展開としても勝ったり負けたり帳尻が合いながら最後は勝つ、という流れで最後までできたのかなっておもいます。

(平田選手の調子に関して:)私自身、団体戦にでるのが20年ぶりくらいだったので、調整段階で負荷をかけたりしみたのですが50歳をすぎているのでなかなか思い通りにはいかないなって思いました(笑)

(先鋒で活躍した石塚選手に関して)最初の試合はうまくいかなかったんですが「なにも考えずに自分の好きなようにやりなさい」と話したら、その後は結果がついてきましたよね。

・平田裕亮(教士八段)

琴平高校→国士舘大学→大阪府警(現:警察職員)

全日本選手権、東西対抗大会、世界選手権

先鋒・石塚太陽(四天王寺東高校・2年)

初戦で思うように体が動かず二本負けしてしまい、後ろの先輩や先生方が「負けてもいいから思い切りやってこいよ!」と声をかけてもらって、そのあとは思う存分にやることができ、やりきれたと思います。

(試合展開、有効打突に関して)日頃の稽古、先生や先輩方に教わったことや、このチームのでの稽古でいろいろな先生に稽古をしていただいたことが試合に出たのだと思います。

・石塚太陽(二段)

なわて少年剣道推進会→四天王寺東中→四天王寺東高校(2年)

近畿中学校大会、全国高校剣道選抜大会三位

結果

優勝 大阪府

二位 福岡県

三位 東京都、千葉県

・ベスト8

大分、静岡、広島、岡山

※結果詳細ページはこちらから>>

試合動画

2回戦・栃木県×大阪府

3回戦・長崎県×大阪府

準々決勝・静岡県×大阪府

準決勝・千葉県×大阪府

決勝・福岡県×大阪府

【優勝インタビュー・栄花直輝】第21回全日本選抜剣道八段優勝大会(4/26)

更新日: 2023/5/9

令和5年/2023年4月16日(日)、第21回全日本選抜剣道八段優勝大会が愛知県・名古屋市枇杷島スポーツセンターにて開催され、栄花直輝(北海道)が決勝で愛甲和彦(大阪)から勝利し、2度目の優勝を果たした。

栄花は3度目の出場となり、今大会を含め優勝は2回、三位1回と出場するたびに好成績を残している。なお、前回優勝の兄・栄花英幸は今回三位入賞となった。

【インタビュー(大会後)】

2度目の優勝

(大会直後の心境)1回目の優勝も嬉しかったですが、今回もコロナ禍であり、職場環境も含めて稽古量が少なかった中、精一杯やれたのでよかったです。

試合前の体調は悪くはなかったですね。ただ、自分だけではなくみなさんそうだと思いますが、年齢を重ねているので痛いところばかりですよ(笑) 

1試合1試合やっていくということは決めていましたが、途中で「八段戦」として自分の試合内容がちょっと悪いな、と思うところがあり「準決勝と決勝では、もっと真っ向勝負をしていかないといけない。」と心境の変化はありましたが、全体的には良かったかな、と思える大会でした。

(決勝前の心境)決勝戦はこの八段戦の締めくくりの試合となるので、今日一日の全員の思いを込めながら「良い試合をする」という気持ちで挑みました。もちろん「優勝したい」という気持ちもありましたが、本日の締めくくりとしての試合をしたいと思いました。

兄弟決勝

大会前にいろいろな方に「兄弟決勝を期待してるよ」なんて冗談で言われていて、もちろんそう簡単にできることではないことはわかっていましたが、ベスト8くらいのときに「もしかしたら!?」と少しよぎりましたが、そこはお互いに意識しすぎてもよくないので軽く「がんばろう」と声を掛け合いました

魅了する大胆な技

剣道は試合は勝つだけではなく、美しさや審査などもあり、芸術的な部分もあると思います。自分のパフォーマンス的には、誰かの心に感動を与えるような展開や業前をだそうとは常日頃からおもっていて、それを作るためにはいかに平常心で欲を出さずに試合に対峙できるかということが大切だと思っています。その気持ちだけをしっかりもっていれば普段の技が、ここぞという時に感動するような技がだせるのかな、と思いながらやっていることは間違いないですね。

兄・栄花英幸 談

自分が勝たないと実現できないので、必死でした(笑) 途中までは良い気持ちでやれてましたが、準決勝で負けてしまいました。

二位・愛甲和彦 談

最近、一日5試合もすることがなかったので、つくずく体力のなさを感じたので、また精進しようと思います。

※結果詳細はこちらから>>

※【全日本剣道連盟HP】結果詳細・試合映像>>

栄花直輝(教士 八段)

【出身】

北海道出身 55歳

【出身校・職業】

東海大四高(東海大札幌)→東海大→現:北海道警察本部教養課 術科指導室長

【剣歴】

八段優勝大会 3回目出場 第17回・第21回大会優勝、3位
全日本選手権大会 第48回大会優勝、3位
世界大会団体優勝3回・個人優勝
東西対抗大会出場
都道府県対抗大会優勝4回
全日本選抜七段大会優勝2回

※参照【全剣連HP】出場選手>>

【速報】11/3 第70回全日本剣道選手権大会2022

更新日: 2022/11/10

※LET’S KENDOに掲載している写真・動画の無断使用は、一切禁止しております。

※更新:〜11/10 決勝〜準々決勝、3〜2回戦、1回戦・32試合分ハイライト

村上哲彦が初優勝!!天皇杯は瀬戸内海を渡り初の愛媛へ!決勝で安藤から二本勝ち

令和4年/2022年11月3日(木・祝)、第70回全日本剣道選手権大会が東京・日本武道館にて開催された。

第70回の記念大会の決勝は、10回目の出場を果たし優勝候補の安藤翔(東京)と村上哲彦(愛媛)が対戦し、大方の予想をはるかに上回り、村上が鋭く早いメンを日本決めて安藤から勝利し、初優勝を果たした。

村上は今大会が2度目の出場、前回大会のベスト8から今大会優勝と大きくステップアップを果たした。村上は愛媛県松山市出身、剣道の名門・新田高校から地元・松山大学に進学し中四国学生個人優勝、えひめ国体では優勝など活躍し、現在は媛県警察機動隊に所属し、全国警察大会でも愛媛県警チームの勝利に貢献した。

惜しくも二位となった安藤。その活躍は、あらためて言うまでもない。悲願の優勝を目指し初の決勝へコマを進めたが、栄冠を手にすることができなかった。大会後の表情、口調は悔しさに溢れていたが、再びこの舞台に立ち「日本一」を勝ち取ってもらうことを願う。

村上:「剣道を始めて、初めて日本一になりました。まだ、実感はないです。自分が稽古してきたことを出せ、結果につながったことを嬉しく感じます。昨年、始めて出場しベスト8でしたが、終わってみて「もっともっとこの舞台で試合をしたい」という想いが強くなり、今年の予選の時からなんとしてでも出場し昨年よりも良い順位、そして、自分のやってきたことを出すということを意識していました。
毎日毎日、限られた時間の中で稽古をおこない、剣道以外のときも考えたり研究し、課題を見つけながら稽古を繰り返し、あっというまに1年間がすぎました。課題としては、自分は仕掛けが遅いと言われ続け、ようやく「こういうことかな」と自分の中で感じるものがあり、特に攻める、仕掛けることを意識してきました。
私は器用ではないので、いろいろな技を打てるわけではなく、自分の武器は思い切って遠間から面で勝負しました。」と話した。
安藤:「決勝戦は少し欲が出たのかなって思います。今後の目標?いまはまだ気持ちを切り替えることはできないです。これから切り替えていきます。」と試合直後だったため、まだ気持ちの整理より悔しさが上回っている状況だった。

結果

優勝 村上哲彦(愛媛・警察)

二位 安藤 翔(東京・國士舘大教員)

三位 矢野貴之(東京・警察)

三位 池田虎ノ介(福岡・筑波大)

優秀選手

大谷翔平(福島)、松本和明(香川)、山下雄輔(三重)、中澤公貴(高知)、林田匡平(福井)、松﨑賢士郎(茨城)

※結果詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています>>

決勝

×安藤(東京)( 勝ち メメ)村上(愛媛)○

準決勝

○安藤(東京)(ドコ 勝ち )矢野(東京)×

○村上(愛媛)(メ 一本勝ち )池田(福岡)×

準々決勝

○安藤(東京)(メ 一本勝ち)大谷(福島)×

×松本(香川)( 一本勝ち コ)矢野(東京)○

×山下(三重)( 延長 コ)村上(愛媛)○

×中澤(高知)( 勝ち ココ)池田(福岡)○

3回戦

2回戦

1回戦・第1試合場

1回戦・第2試合場

※速報

安藤、西村、國友、松﨑、矢野ら強豪選手は2回戦へ。

前回王者・星子、宮本が1回戦で敗退

開会式・公開演武

第70回全日本剣道選手権大会

前回大会優勝の星子(東京・警視庁) 今大会は前回優勝枠で出場を決めている

令和4年/2022年11月3日(木・祝)

東京・日本武道館

開会式:9時20分 試合開始:10時20分

※大会詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。

※LET’S KENDOでは速報予定です

組合せ

今大会も豪華な出場選手が揃った。

前回優勝者出場枠が復活し、星子(東京)の出場が確定。その東京からは宮本、矢野、岩切、そして北海道警から国士舘大学の教員となった安藤翔の4選手が出場する。

今大会、過去3回の優勝を誇る西村(熊本)、松﨑(茨城)、國友(福岡)の優勝選手も出場を決めている。また、初出場戦が29選手と約半数を占めている。

LET’S KENDO的注目選手としては、草野(大阪)は積極的な攻めが印象的な上段選手であり、勢いに乗ったら手がつけられなくなりそうだ。1回戦では上村(大分)と対戦。埼玉から初出場を決めた福居は実業団の伊田テクノスに所属。水戸葵陵高校、国士舘大学で活躍したことは記憶に残る。1回戦では松尾(長崎)と、好勝負が期待できそうだ。また、福居の近くには過去二位の実績がある林田(福井・教員)がいる。10月の警察大会団体二位の北海道警では先鋒で活躍した伊澤(北海道)は1回戦で、杉本(佐賀)と対戦。星子や松﨑と同年代の大阪・小角。大学へ進学せず大阪府警で経験を積み、選手権2回目の出場。今年も国体や警察大会に出場している。1回戦で中田(山梨)と対戦。

右ブロック、北海道警では大将を務めたベテランの地白(北海道)は1回戦で後藤(石川)と対戦へ。地白は粘り強さと勝負感があり過去には三位にも入賞している。1回戦で注目カードの一つ、西村と初出場の寒川(茨城)。筑波大出身対決であり、世代を代表する選手同士の対戦だ。高千穂高校でインターハイ優勝し中央大でも活躍した清家(大阪)は、大阪府警へ進み選手権は激戦の大阪予選を勝ち抜き初出場を果たした。1回戦では佐々木(鳥取)と対戦し、2回戦で星子との対戦となるか。埼玉県警チームでは大将を務めた足立(埼玉)は6回目の出場。選手権、警察選手権ともベスト8進出を果たす実力選手。1回戦で西澤(長野)と対戦。真田(神奈川)対百田(福岡)、実業団選手ながら6回目の出場の三雲(滋賀)は、前回大会ベスト8の村上(愛媛・警察)と対戦と注目カードが揃っている。

愛知の若手有望株・久田松(警察)は1回戦で、7回目の出場の菅野(岩手・教員)と対戦し、2回戦では田島(埼玉・警察)と中澤(高知・警察)の勝者と対戦。筑波大で大将の大平(栃木)は1回戦で中武(宮崎)と対戦。大平は出場3回目、上位進出も期待できる選手の一人だ。

東京予選優勝の宮本(警視庁)は、福岡から初出場する池田(筑波大)と興味深い対戦が実現。佐藤(千葉)と武田(宮城)の対戦、また、思い切りのいい剣道が印象的な山本(奈良・日体大)と米丸(鹿児島・警察)の初出場対決となっている。

【全日本剣道連盟HP】より

【大会結果】11/3 第66回全日本剣道選手権大会

更新日: 2018/11/9


西村英久(熊本・29歳)、2年連続三度目の大会制覇!!

試合後のインタビュー「プレッシャーから逃げていた」

優勝 西村英久
試合後のインタビューではリラックスした表情で答えた西村。

いろいろな方々に支えられた一年だったと思います。そう言った意味では、優勝できて恩返しが少しできたと思います。

そして私の気持ちを汲んで言葉をかけてくれる米田先生は、有難いと思っています。

世界大会から、ずっと試合が続いたていました。世界大会では勝ちたいと言う気持ちがあったなかで個人戦で負けてしまい、団体戦では足を引っ張ってしまいました。日本代表として、団体戦では一本をつないで勝っていこうという作戦の中で、私が迷惑をかけてしまいどんどん苦しくなりました。。

(世界大会から全日本選手権まで時間のない中で)プレッシャーに押しつぶされそうになったときに、九州学院高校の米田先生に電話し「もっとプレッシャーを感じろ、もっと苦しめ」と言われ、苦しい気持ちがスッと落ち着きました。それは、自分がプレッシャーから逃げていたから、押しつぶされそうになっていることに気付きました。

自分にもっとプレッシャーを与えることによって、この試合(大会)をラクな気持ちで、楽しくできたのではないかと思います。

尊敬する先輩

(大会では日本代表選手とも対戦しましたが)ん〜、勝ちたいとは思っていましたが「無心」でやることが、私の剣道ができる一番のことだと思っていますので、今日は無心でなにも考えずに体が動く通りにやれたと思います。

(準々決勝から試合時間が10分に)試合をやっていて苦しいと思うこともありますし、試合時間が長くなればなるほど苦しいと思います。そういうところで、プレッシャーと日々向き合っているからこそ、試合の時はまだまだいける と違う自分が出てくるのだと思います。

(内村選手に関して)本当にすごいな!という思いしかないです。年齢のこともそうですが、試合で先取されても取り返して勝ち上がってくるのは剣道だけではなく私生活や人間性もすごくでるのだろうと感じさせれる、尊敬する先輩です。

(内村選手に勝ち続けているが)たまたまです笑 本当にたまたまです! 九州学院高校の先輩であることが大きく、胸を借りてやろうと思える先輩です。

決勝にのぞむ時は「楽しみたい」とおもいました。決勝戦になると私は勝ち負け(の意識が)がなくなる、決勝で勝ちたいという気持ちよりも、思い切って自分の剣道をすることに気持ちを持っていき、内村先輩に胸を借りるつもりでのぞうもうと思ってでた結果でした。

決勝後に米田先生へ報告したら「おめでとう」と言っていただきました。決勝試合前にも電話し「自分を信じて行ってこい」と言われ、試合前なのに泣きそうになってしまいました。

とことん連覇を意識してこの一年かやってきました。

(決勝では早い展開での決着について)昨年優勝のプレッシャーの部分を味方にして楽しめたことが、思いきり試合ができたのだと思います。

(3回目の優勝、連覇に関して)ありがたいですね笑 連覇したという感覚はまだないです。じわじわくるのかな、と思います。

前回優勝した時に連覇ということを求めたらダメだと思ったら、前回大会は負けてしまいました。

今回はとことん連覇を意識してこの一年かやってきました。だからこそプレッシャーというものを感じてたのだと思います。プレッシャーとの向き合い方、感じ方、プレッシャーとの接し方がわからなかったときに米田先生に「苦しいということは、それだけ連覇を意識ているということだ」と言われ、もっと食いしばらなければいけないと思いました。私は逃げていたのかもしれません。先生からは、いい言葉をいただきました。

下がらないで前で潰す

(9月の警察選手権優勝について)この全日本選手権があったので、ある意味負けても良いという気持ちでのぞみました。

警察選手権は世界大会が終わったばかりだったので 剣道をすることに意味が・・・ 一時的に剣道をやりたくなった 今後どうやったらいいのか・・・ という気持ちがあったなかで、結果をだせたことは嬉しかったですが、全日本選手権と警察選手権では気持ちの持ち方が違っていました。

全日本選手権は今年最後の試合なので、自分の気持ちを最大限にするにはどうしたらいいか考え、それが全日本選手権でできたのだと思います。

(以前の守り主体から攻め主体にして)去年までは間合いを切ったり下がる剣道をしていたのですが、下がらないで前で潰す前に行く剣道をやろうと、のぞみ、そしてこの結果につながったのかなとおもいます。

反省し研究

世界大会で(自分が)負けてから技術面、どこが悪かったのか自分で反省し研究ました。結局、技術面ではないということに行き着きました。みんな同じ技術を持ち、メンタルとなったときにどういう風に試合にのぞんでいたのか、試合中の自分の気持ち・・・という自分なりに分析をして、もっともっと冷静に試合をしなければいけないな、と反省できたことが良かったと思います。

ジュンジュンから10分

 

日本代表キャプテン

(世界選手権が3年後に)近いうちに日本代表候補合宿があります。正直、一回休みたい、というところはあります笑 が、走りだしてしまわなければならないです。

今回らキャプテンをさせてもらうのでみんなを引っ張っていけたら ・・・ おこがましいので 私がやっているところを見てもらうっていう方がいいのかなってもってます。

 

西村・熊本連覇を誓い大会へ出場した西村。後藤(石川)を二本勝ちし初戦に勝利。二回戦では強豪・中澤(高知)にコテで先制されたが気を抜かずメン、コテを取り逆転。3回戦では村方(福岡)との延長戦で引きメンを決めベスト8へ。準々では松﨑(宮崎)から延長で得意のコテで勝利し、準決勝の安藤(北海道)には出ばなのコテを2発決めて決勝へ。優勝をかけて内村(東京)と対戦し、42秒間で鋭いコテを決めて2回決めて勝利し、連覇を達成した。

二位 内村(東京)四度目の優勝を狙う今大会最年長の内村。警視庁では特練選手ではないものの、いまだその勝負強さは健在。1回戦では渡部(山形)を延長でコテ、2回戦では若手・齋江(鳥取)から二本勝ち、3回戦では大柄の村上(大阪)、そして準々決勝の國友(福岡)の両試合を面返しメンで勝利した。準決勝では明治大の後輩でもある竹下(大分)と対戦し、メンを選手されるもコテ、心理を読みきったかのような面返しドウを決めて勝利した。決勝では西村の前にまたしても敗れてしまったが、堂々たる二位。
安藤・北海道世界大会個人優勝の安藤。なんとしても手にしたい天皇杯。課題でもある初戦、坂口(和歌山)にはメンで二本勝ち。2回戦での尾池(岡山)もメンで一本勝ち、三回戦では新鋭の久田松(愛知)を延長で引きメンを決め、多彩な面技で勝ち上がる。準々では優勝経験のある勝見(神奈川)から力強いメン、さらに諸手ツキで二本勝ちし、準々決勝ではライバル・西村との対戦となり、試合序盤で鋭い面で攻勢だったが、西村にコテを2本奪われ敗れた。優勝に期待がかかる選手であることは今後も変わらない試合展開随所で見せた。
三位 竹下(大分)竹下は五度目の出場、選手権三位や警察大会個人二位、世界大会団体でも活躍した。瞬発力のある剣風で1回戦では日置(愛知)をメン、2回戦では佐藤(千葉)にはコテを両試合とも延長できめてた。3回戦は山田(北海道)を出ばなメンと引きメンで二本勝ちし、準々では前田(大阪)に面を先取されたが得意のメン取り返し逆転でベスト4へ。準決勝では、明大の先輩でもある内村との対戦では試合中盤に鋭いメンで先制したが内村がコテ、さらにドウを立て続けに取り返し逆転負けとなったが、竹下の鋭い技の数々に会場が沸いた。

優秀選手(ベスト8) 松﨑(宮崎)宮崎代表の松﨑、中大時代には関東学生個人王者など実績を持ち現在は宮崎県警で活躍している。松﨑は準々決勝までの4試合すべてで延長戦となり、勝負強さを発揮した。大会開幕試合で嶌津(千葉)から延長で引きドウで勝利。2回戦では強豪・岩切(大阪)では紙一重の相メンで勝利し、3回戦では上段・平野(埼玉)の出ばなで左コテを決めた。準々では西村(熊本)に延長でコテを奪われ敗退したが、まとを絞らせない試合展開でベスト8の結果を残した。

優秀選手(ベスト8) 勝見(神奈川)第64回王者・勝見、世界大会三度の出場などその活躍は誰もが知るところ。1回戦では塩谷(静岡)を引きメン、出ばなメンで二本勝ちし、2回戦では強豪・林田(福井)との大一番。両選手とも出ばななど洞察力に優れている。試合終盤に勝見が小手返しメンを決めて一本勝ちした。3回戦では新鋭・宮本(東京)とは序盤にコテを決めて一本勝ちしたが、準々では安藤(北海道)に二本負けで今回大会を終えた。風格を身につけ進化を続ける勝見、まだまだ第一線での活躍に期待したい。
優秀選手(ベスト8) 國友(福岡)國友は選手権二位2回と、優勝に近い存在。1回戦では同じく二位の実績のある強豪・小谷(千葉)と20分以上の接戦の末、引きメンを決めて勝ち上がり2回戦では平井(島根)から出ばなメンで勝利。3回戦では上段・野村(神奈川)と対戦し、試合終盤に野村の片手面を返しドウで対応し一本勝ちでベスト8進出を決めた。準々では内村と対戦し、終盤で國友の仕掛けた面を巧みに返し面を決めた内村が勝利した。
優秀選手(ベスト8) 前田(大阪)若手成長株の前田、身体能力が高く思い切りのいい剣風で相手を翻弄する。1回戦では小柄な小江(山口)を延長で飛び込みメン決めて勝利し、2回戦では菅野(岩手)から小手返しメン、さらに反応鋭い出ばなメンを決めて二本勝ち、3回戦では新鋭・松﨑(茨城)からメンで先取するも松﨑に面返し胴で返され、勝負の立合いで前田がドウを決め返すという意地で勝利をもぎ取った。準々決勝、竹下との対戦は楽しみな期待を裏切らない打ち合いとなった。前田が序盤に出ばなメンで先取したが、竹下に本戦、延長で2本の面奪われた。まだ25歳ながら2年連続ベスト8の結果を残し、今後はもう一段階上のステージと登ってくるだろう。

優秀選手 村上(大阪)激戦区・大阪から初出場しを決めた村上、今年度の教職員大会団体ではチームの優勝に貢献するなど高校、大学と数々の輝かしい実績を持つ。大柄で迫力があり正統派な剣風でベスト16まで勝ち上がった。初戦の大谷(栃木)から延長で面返しドウ、2回戦では松本(香川)を試合終盤にコテで一本勝ち。3回戦で内村を相手に一歩も引かず、常に攻めの姿勢を崩さなかったが延長で面を奪われ敗れた。その堂々たる試合展開は観客を魅了し、そして、優秀選手に選ばれた。

優秀選手 村方(福岡)村方は選手権四度目の出場。1回戦では桐石(兵庫)から先取されるもメン、延長で引きメンを決めて逆転勝利。2回戦では村松(東京)からメン、コテを決めて二本勝ち、三回戦では西村(熊本)と延長まで競合うも最後は引き面を受けてベスト16で大会を終えた。

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優勝 西村(熊本)

※優勝インタビューコメント、準備中

結果

優勝 西村英久(熊本)

二位 内村良一(東京)

三位 安藤 翔(北海道)

三位 竹下洋平(大分)

・ベスト8

松崎亮介(宮崎)、勝見洋介(神奈川)、國友錬太朗(福岡)、前田康喜(大阪)

・優秀選手
松崎亮介(宮崎)、勝見洋介(神奈川)、國友錬太朗(福岡)、前田康喜(大阪)、村上雷太(大阪)、村方孔哉(福岡)

優勝 西村英久(熊本)優勝 西村英久(熊本)

内村良一(東京)二位 内村良一(東京)
安藤 翔(北海道)三位 安藤 翔(北海道)
竹下洋平(大分)三位 竹下洋平(大分)
優秀選手
上位戦

※大会詳細結果は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。

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決勝

○西村(熊本)(ココ 勝ち )内村(東京)×

試合時間42秒、西村がコテを二本決めて大会連覇を決めた。内村はなすべなく、四度目の大会優勝を蓮子とができなかった。

決勝

決勝

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準決勝

○西村(熊本)(ココ 勝ち )安藤(北海道)×

※試合序盤は安藤が攻めたが、西村が安藤の面にコテを2本決めて勝利。

準決勝 西村がコテで先取

準決勝、試合も終盤にさしかかり安藤が一本を狙ったところを再び西村がコテを決めた

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○内村(東京)(コド 勝ち メ)竹下(大分)×

※鋭いメンで先制した竹下だったが、内村が面に対して出ばなコテを決め、勝負の立合いで面返しドウを決めて逆転勝ち。d

準決勝

準決勝

準決勝

準々決勝

1:×松﨑(宮崎)( 延長 コ)西村(熊本)○

※鋭く攻めてコテ

準々決勝

2:×勝見(神奈川)( 勝ち ツメ)安藤(北海道)○

※安藤が大きく振りかぶりメン、さらに諸手ツキを決めて二本勝ち

準々決勝

準々決勝

3:○内村(東京)(メ 一本勝ち )國友(福岡)×

※返し技が冴えていた内村はこの試合でも面返しメンを決めて準決勝進出へ

準々決勝

4:○竹下(大分)(メメ 勝ち メ)前田(大阪)

※前田がメンで先取したが、竹下が本戦、延長でメンを決めて逆転勝利

準々決勝

準々決勝

準々決勝

注目選手

山田・北海道 意外にも初出場だった山田(北海道)。九州学院時代に日本代表に選出され、明治大学では学生王者に。1回戦では坂口(京都)、2回戦では赤塚(新潟)、3回戦では大学の先輩でもある竹下に二本負け、初出場はベスト16で終えた。

中澤・高知実力選手の中澤(高知)は、1回戦で新鋭・山下(茨城)から勝利し、2回戦では西村と対戦ではコテで先取したものの逆転されてしまったが、西村から今大会唯一の一本を奪い、その実力を証明した。
尾池・岡山ベテラン・尾池(岡山)は五度目の出場。1回戦では足立(埼玉)に勝利したが、2回戦では安藤に敗れた。
小谷・千葉選手権二位などの実績があるベテラン・小谷(千葉)は1回戦から國友(福岡)と注目の強豪対決となったが、國友が延長でメンを決めて小谷は一回戦で姿を消した。

宮本・東京宮本は國士舘大の時に選手権三位の輝き、今回三度目の出場は東京代表、警視庁所属での出場を決めた。1回戦では前田(奈良)、2回戦では望月(福岡)の初出場両選手で同年代に勝利したが、3回戦で勝見に敗れた。今後の活躍に期待がかかる。

千田・宮城明治大4年の千田(宮城)は、二度目の出場だったが、1回戦で恒川(岐阜)に敗れた。今後の活躍に期待したい。
塩谷・静岡塩谷は明徳義塾高でインハイ個人王者、法政で活躍し現在は静岡県警の主力選手となった。今大会は1回戦で勝見と対戦しその牙城を崩すことはできなかった。
野村・神奈川神奈川から初出場を決めた上段の野村。本庄第一高から警察に入り、警察大会個人・団体で活躍している。経験豊富な選手との対戦が続き1回戦では西村健(兵庫)に先取されつつも逆転勝利、2回戦では笠原(三重)を延長戦で下したが、三回戦では國友に一本負けしベスト16で終えた。

岩切・大阪大阪から初出場の岩切。警察大会団体では代表戦に出場し優勝に大きく貢献するなど、実力選手として知られる。今大会では1回戦で森角(長野)、2回戦では松﨑と対戦し、延長で相面で敗れた。

平野・埼玉埼玉県警特練の主将である平野、35歳で初出場を決め、1回戦で山本(広島)、2回戦で恒川(岐阜)に勝利し3回戦・ベスト16となった。
林田・福井前回大会三位の林田(福井)は1回戦で下重(福島)、2回戦では世界大会代表対決、勝見と対戦し勝見の出ばな面を決められ敗れた。
菅野・岩手岩手代表の菅野は、インターハイ個人王者、そして國士舘大で活躍し、近年では国体優勝など印象的な活躍している。今大会では1回戦で、東京から初出場を決めた警視庁の西野に勝利した、2回戦では前田に敗れた。

久田松・愛知愛知から初出場を決めた久田松。1回戦では早稲田大の先輩でもある嘉数(滋賀)、白鞘(長崎)に勝利したが3回戦で安藤に敗れたもののベスト16という実績を残した。

村松・東京白の道衣・袴が印象的な皇宮警察所属の松村は東京から初出場。国士舘大時には個人で全日本学生に出場している影の実力選手。1回戦では古畑(青森)を延長で勝利したが、2回戦では村方(福岡)に敗れた。
橋本・埼玉埼玉・橋本は過去にベスト8、今年の七段戦では優勝と乗っている。今大会は内村と並ぶ38歳最年長で5回目の出場だったが、1回戦で若手で初出場の齋江(鳥取)に敗れた。
松﨑・茨城茨城代表・松﨑は、島原高校で大活躍し現在は筑波大2年生。1回戦では山名(静岡)、2回戦では濱崎(鹿児島)に勝利。3回戦では前田と対戦し先取されるも取り返すなど接戦の末、惜しくも敗れた。

序盤戦

ベスト8

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3回戦(ベスト16)

3回戦

○松﨑(宮崎) (コ 延長 )平野(埼玉)×

○西村(熊本) (メ 勝ち )村方(福岡)×

※引きメン

○勝見(神奈川)(コ )宮本(東京)×

○安藤(北海道)(メ 延長 )久田松(愛知)×

※引きメン

○内村(東京)(メ 延長 )村上(大阪)×

○國友(福岡)(ド 一本勝ち )野村(神奈川)×

○竹下(大分)(メメ 勝ち )山田(北海道)×

※出ばなメン、引きメン

○前田(大阪)(メド 勝ち ド)松﨑(茨城)×

※前田が面抜きメン、松﨑が面返しドウ、前田が飛び込みドウで2本目

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3回戦・ベスト16始まる。西村は村方、勝見は宮本、安藤は久田松と対戦へ。

2回戦

ベスト16

スコア

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2回戦、中澤(高知)が西村(熊本)からコテで先取するも、西村がメン、延長でコテを決めて逆転勝利。勝見(神奈川)は林田(福井)から出ばなメンを決めて一本勝ち3回戦へ。

内村(東京)は斎江(鳥取)からコテ、メンを連取し2本勝ち。

2回戦

スコア

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1回戦、初出場の山田(北海道・明治大)、前田(大阪)、松﨑(茨城・筑波大)2回戦へ。

1回戦

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安藤、勝見、竹下、林田ら世界大会メンバーは1回戦に勝利している。

1回戦

1回戦

全日本剣道選手権大会 1回戦が進行中!

1回戦

開会式

全日本剣道選手権大会 天皇杯

H30第66回全日本剣道選手権大会

2018年11月3日(土・祝)
東京・日本武道館

組合せ

※大会詳細・組合せは【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。

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【取材・速報】3/5 H28全日本実業団女子・高壮年剣道大会

更新日: 2016/3/5

全日本実業団女子・高壮年剣道大会

大会レビュー

女子の部、新人チーム・三菱東京UFJ銀行(大手町)が初優勝!

女子決勝、MUFJが大同との代表戦を制し初優勝
女子決勝、MUFJが大同との代表戦を制し初優勝。

 3月5日(土)、全日本実業団女子・高壮年剣道大会が東京都足立区・東京武道館で開催された。
大会は女子3人制団体戦、高壮年の部個人戦・五段以下、六段以上の3部門がおこなわれた。
まず女子団体、4月に入社を控えた新卒学生選手の出場が認められており、新戦力を加えたチーム編成で大会へエントリーするチームも多い。そして、今大会ではそのルールにより、波乱ずくしの大会となった。
大会2連覇中のパナソニック(ES)勢は、グループチームすべてベスト8に進出を逃す結果となった。前回大会優勝のパナ(ES門真)は2回戦で若手メンバーで揃えたJR東日本リテールネット(東京)に2-0で敗退し、前々回優勝のパナ(ES本社)は3回戦で西日本シティ銀行(本店)と代表戦になり、パナES・元木が西日本シティ・宮本を奪われ敗退した。西日本シティは2回戦で大塚家具に勝利し、強豪相手に勝利を重ね上位進出も見えてきたが、4回戦で東京海上日動(本社)に代表戦で敗れた。
前回大会二位の全日本武道具は、中堅に新卒選手・西尾(鹿体大4年)を配置し、盤石の体制で大会へ挑んだ。初戦から大将戦、3、4回戦では代表戦もあり苦しい試合を大将の興梠が乗り切る。チームの歯車があわぬまま迎えた準々決勝でNTTと対戦し、NTTは先鋒戦で勝利、中堅戦を引き分け、勝利が必要な全日本大将・興梠だったが果敢に攻めたが勢い余って場外反則等2回で一本負けし、この対戦は2-0でNTTが勝利した。

昨年6月の関東実業団で初優勝したJR東日本リテールネット(本社)は2回戦でパナ(ES横浜)に1-0で敗退。パナES横浜はこの勝利で波に乗りかけたが、4回戦で大同特殊鋼(本社)に敗退。
大同特殊鋼(本社)は前回大会ベスト8と着実に実力をつけているチームであり、準々決勝では東京海上日動を2-0で下し準決勝のNTT戦でも2-0と勢いにのり決勝進出を決めた。
決勝の対戦相手は三菱東京UFJ銀行(大手町)。4月に入社を控えた学生選手3名によるチーム編成。先鋒の斎藤は明治大、中堅の古谷田は東京学芸大で活躍し、大将の五十嵐は日体大で大将をつとめた強豪選手。とはいえ、3選手とも大会へは初エントリーであり、このチームの勝ち上がりを予想できたものは少なかったのではないだろうか。
MUFJは初戦となった2回戦でALOK(東京)を本数差で勝利し、4回戦ではNTT東日本と代表戦、準々決勝のNTT西日本、準決勝の福岡トヨペット(A)をそれぞれ大将戦で五十嵐が勝利し1-0の僅差の勝負をものに決勝戦までたどり着いた。
決勝戦、初優勝を懸けた大同対MUFJ。先鋒戦、MUFJ・斎藤が試合序盤に大同・吉田から打ち合いの中から一瞬の隙を見逃さずにメンを決めて一本勝ち。つづく中堅戦では大同・藤野がMUFJ・古谷田から絶妙なタイミングの引きコテ、さらに、同じタメの効いた引きドウを決めて2本勝ちし大将戦へつなぐ。大将戦、大同・吉本はMUFJ・五十嵐より頭一大きい選手だが、五十嵐は恐れずに面を中心に試合を組み立て、試合中盤に飛び込みメンを決め、つづく2本目の立会いで吉本の面の打ち終わりに合わせて放った引きメンが優勝を決める1本となった。本数でリードを許した状況を五十嵐の逆転勝利で三菱東京UFJ銀行(大手町)が初優勝へ導き、五十嵐は最優秀選手にも選ばれた。
例年、上位を独占する勢いだったパナソニックES勢が序盤で敗退し、さらに全日本武道具やJRリテールもベスト4に届かず、新人選手はなかなか活躍できない事も多いこの実業団大会で、新人3選手で挑んだ三菱東京UFJ銀行(大手町)の優勝。初出場ながら今後は追われる立場となり、今後の試合にも注目していきたい。また、強豪チームは6月の関東女子実業団、そして次回大会での制覇を狙い、女子大会は混戦となるだろう。

高壮年六段以上、山本有樹(NTT)が豪快な面で大会を制す!

六段以上で優勝した山本(NTT)、インタービュー映像を公開中!
六段以上で優勝した山本(NTT)、インタービュー映像を公開中!

高壮年大会は40歳以上の選手に出場権が与えられ、6段以上と五段以下の2部門に分かれ個人戦をおこなう。トーナメントは40歳代から70歳代まで概ね歳の近い順にトーナメントが組まれ、選手層の厚い40代選手は60歳代選手より多くの試合をおこなう変則的な組み合わせとなっている。
序盤戦から強豪選手が姿を消す。優勝経験のある上段・宮本(三井住友海上)は3回戦、鬼塚(富士ゼロ大阪)は3回戦で朝日(JRリテール)に勝利し勝ち進むも6回戦で敗退。前回大会優勝の日永田(グローリー)は5回戦、前回二位の南(NTT)は5回戦で香川(JRリテール)に鋭いコテを決められ姿を消した。その香川も6回戦で小森(大塚家具)に敗れた。

五段以下決勝、加藤(日通)は石井(テンプ)から延長でメンを決めて優勝。
五段以下決勝、加藤(日通)は石井(テンプ)から延長でメンを決めて優勝。

 強豪選手の勝ち上がりとしては、全日本選手権でも活躍した立花(九電)は初戦となる2回戦で北口(TOLL)に敗退。今年初出場の梅山(NTT)は、2回戦で野口(富士ゼロ)との強豪対決をコテを決めて制し、キレのある面を中心に勝ち上がり5回戦では、大会唯一の連覇を成し遂げている立見(三井住友海上)に敗退した。立見はNTT勢の対戦が続き6回戦で強豪・山本(NTT)と対戦し、最後は山本が渾身の面を決めると、さらに7回戦でも小森(大塚家具)からメンで勝利し、準々決勝の永鳥(日新製鋼)、準決勝戦でも梶山(三井住友銀行)からそれぞれ面により2本勝ちで決勝進出を決め、細川(鹿島建設)との対戦がきまった。
決勝進出者の年齢は山本が40歳、細川は50歳。トーナメントの特性上、決勝戦は歳の差の対戦となり体力、キレのある年下選手が勝つことが多いが、前回大会では年長選手の日永田が経験と判断力で南を下し優勝を果たしている。
山本と細川の決勝戦、山本は低い構えから面を幾度も狙うが細川は紙一重でしのぐ。細川も素早く間合いを詰めるが、山本を崩し切れない。延長戦に突入しても面を狙い続け山本は、優勝を決めた一本もやはり面だった。試合時間約8分の間に引き面は打たず、前へ前へと20回以上を面を放った山本。インタビューでも「自分は面から切り崩し剣道なので、そのスタイルを変えることは一切考えていなかった。」と面へのこだわりを語った。
五段以下の部は約300選手がエントリーし、準決勝で石井(テンプスタッフ)が谷(凸版)から勝利し決勝へ進出し、加藤(日通)と対戦。42歳の石井は体のキレと伸びのある面で、49歳の加藤を攻める。試合終盤に石井の面の動き出しに合わせて加藤が面を放ち先制したが、石井はすぐに飛び込み面を取り返す。延長戦へ突入しても運動量が落ちない石井だが、加藤が徐々に鋭い攻め面や逆胴など攻め始め、最後は石井の動きだしに合わせて加藤がまっすぐ打ち込んだメンが一本となり、加藤が優勝を果たした。

ハイライト

女子準決勝、大同は先鋒・吉田、大将・吉本の勝利でNTTから2-0で勝利。
女子準決勝、大同は先鋒・吉田、大将・吉本の勝利でNTTから2-0で勝利。
両チームとも初のベスト4入りを果たし、MUFJ大将・五十嵐が福岡トヨペット・平松から勝利し決勝進出。
両チームとも初のベスト4入りを果たし、MUFJ大将・五十嵐が福岡トヨペット・平松から勝利し決勝進出。
大会制覇を目指した全日本武道具だったが、準々でNTTに敗退。
大会制覇を目指した全日本武道具だったが、準々でNTTに敗退。
関東王者・JRリテール、パナES横浜に2回戦で敗退。
関東王者・JRリテール、パナES横浜に2回戦で敗退。
不振だったパナES勢は、ベスト8に駒を進めることができなかった。
不振だったパナES勢は、ベスト8に駒を進めることができなかった。
六段以上6回戦、優勝候補・立見(三井住海)を山本(NTT)がメンを決めて勝利。
六段以上6回戦、優勝候補・立見(三井住海)を山本(NTT)がメンを決めて勝利。

閉会式、六段以上優勝・山本(NTT)インタビュー

結果一覧

女子

ベスト4

  • 優勝 三菱東京UFJ銀行(大手町)
  • 二位 大同特殊鋼(本社)
  • 三位 福岡トヨペット(A)
  • 三位 NTT

敢闘賞(ベスト8)

  • NTT西日本(本社B)
  • 東京海上日動(本店)
  • 全日本武道具
  • 大同特殊鋼(星崎)

最優秀選手

  • 五十嵐 蕗(三菱東京UFJ銀行(大手町))

6段以上の部

ベスト4

  • 優勝 山本有樹(東日本電信電話本社)
  • 二位 細川昭浩(鹿島建設)
  • 三位 梶山和徳(三井住友銀行本店)
  • 三位 田邊 勉(千葉銀行)

五段以下の部

ベスト4

  • 優勝 加藤禎之(日本通運本社)
  • 二位 石井丈司(テンプスタッフ本社 )
  • 三位 谷 秀俊(凸版印刷本社)
  • 三位 藤麻雄三(三菱東京UFJ銀行大手町支店)

表彰式

各部門

  • 優勝 三菱東京UFJ銀行(大手町)
    優勝 三菱東京UFJ銀行(大手町)
  • 二位 大同特殊鋼(本社)
    二位 大同特殊鋼(本社)
  • 三位 福岡トヨペット(A)、NTT NTT
    三位 福岡トヨペット(A)、NTT NTT
  • 6段以上の部
    6段以上の部
  • 五段以下の部
    五段以下の部
  • img_4591
    最優秀選手 五十嵐 蕗(MUFJ銀行)

トーナメント表

全日本実業団女子剣道大会 全トーナメント

全日本実業団女子剣道大会 全トーナメント

結果

結果

女子団体ベスト8

女子団体ベスト8

六段以上 上位

六段以上 上位

五段以下 上位

五段以下 上位

※全結果、上位トーナメントは【全日本実業団剣道連盟HP】に掲載されているものです

決勝戦ハイライト

決勝

女子団体
三菱東京UFJ銀行(大手町)(本社)対 大同特殊鋼(本社)
三菱東京UFJ銀行(大手町)(本社)対 大同特殊鋼(本社)
女子決勝、MUFJは先鋒・斎藤、大将・五十嵐の勝利で優勝を決めた。大同も中堅・藤野が2本勝ちし、勝負を諦めることはなかった。
五段以下
石井丈司(テンプスタッフ本社) 対 加藤禎之(日本通運本社)
石井丈司(テンプスタッフ本社) 対 加藤禎之(日本通運本社)
五段以下、加藤(日通)の上手さが際立った。石井もキレのある動きで攻めたが、延長で加藤が面を奪い優勝。
六段以上
山本有樹(NTT) 対 細川昭浩(鹿島建設)
山本有樹(NTT) 対 細川昭浩(鹿島建設)
六段以上、山本(NTT)は試合開始から面で勝負を仕掛ける。細川(鹿島建設)もしのいだが、延長で山本がメンを決めて勝負をつけた。

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女子団体決勝

赤 ○三菱東京UFJ銀行(大手町)(2-1)大同特殊鋼(本社)× 白

w_final

高壮年 六段以上の部 決勝

○山本(NTT)(メ 延長 )細川(鹿島建)×

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高壮年 五段以下の部 決勝

×石井(テンプ)(メ 延長 メメ)加藤(日通)○

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【2010年インタビュー 】 第4回 学生王者 鹿屋体育大学 木谷洋亮 後編

木谷洋亮

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インタビュー後編

体育大学なので、入学前はちょっとビビってましたが・・・

鹿屋体育大学
鹿屋体育大学

__そして、鹿屋体育大学への入学が決まりました。寮生活には抵抗はなかったと思います。ただ「体育大学」なので、高校以上に大変なことも多かったのではないでしょうか?
木谷:入学前はちょっとビビってましたが・・・ 実は、すごく良い環境なんです!!
__どういうことですか?
木谷:おそらく毎日合宿のような厳しい稽古をして、寮生活で先輩の付き人で大変な思いをして・・・ というような想像をしてませんか?
__そうですね。
木谷:ぜんぜん違います!!稽古は通常2時間、朝練は火曜日と木曜日のみ。上下関係も最低限で、稽古が終わったら先輩から弟のように可愛がっていただきました。
__その可愛がりは??(笑)
木谷:呼び出されて、すごく飲まされるとかじゃないっすよ!!基本的に剣道部は禁酒・禁煙なので、そういうことはないです。ご飯をおごってもらったり、一緒にゲームをしたり・・・ 友達みたない感じですよ。ちょっと言い過ぎかな、先輩に失礼ですね(笑)。
__それは意外です!!地獄のような1年生生活を送っていたのかと思ってました!!
木谷:自分も意外でした(笑)。本当にのびのびと剣道ができます。自分に合っていますね。サボったり、遅刻が続いたりしないかぎり、ヤラれることはなかったですし。別に稽古が楽ってわけではなく、「しんどい」稽古をしてますよ。剣道に集中できる環境が整っているという意味です。
__なるほど。ただ、場所は・・・
木谷:かなり田舎です!!(笑)。
__自然派の木谷選手らしいですね(笑)。いつからレギュラーとして試合に出場しているのですか?
木谷:有り難い事に入学し、1年生の時から使っていただいてます。
__すごいですね!部員は何名くらいいるのですか?
木谷:現在は110名くらいです。他の体育大学よりは部員が少ないと思います。田舎なので(笑)。
__田舎じゃないですよ、自然に恵まれた環境ですよね(笑)。成績はどうでしたか?
木谷:1年生の時は、九州大会個人で2位、全日本学生選手権(個人)ベスト16、全日本学生優勝大会(団体)は先鋒で使っていただき3位になりました。
__なんか1年生で4年分のタイトルというか、実績を残しましたね!
木谷:まんざら間違ってないですね・・・
__え!?冗談のつもりが・・・ まんざらというと?

オマエが負けたなしょうがない。

H21、全日本学生優勝大会で優勝
H21、全日本学生優勝大会で優勝

木谷:2年生になり、急に調子が悪くなったんです。九州大会個人でギリギリの成績で全日本学生選手権に出場するも、1回戦負け。全日本学生優勝大会は、先鋒で出場しベスト8。戦力的にも優勝できると思っていたので、試合に出場していない4年生の先輩達もたくさん日本武道館に来ていたんです。そんな中で、自分が準々決勝の先鋒戦で2本負けしたことにより、チームが負けてしまったんです。泣きながら先輩一人ひとりに謝りに行きました。
__先輩達は何と言ってましたか?
木谷:「オマエが負けたなしょうがない。」って言っていただきました。一緒に涙を流して悔しんでくれました。自分は、先輩に本当に恵まれてると思いましたし、自分1人だけの悔しさだけではなく、先輩達の悔しさを晴らすためにも、稽古に明け暮れました。
__そして3年生になり、復活、または悔しさを晴らすことはできましたか?
木谷:それが、あきれちゃうことに九州大会個人で1回戦負けでした。調子の良い時の感覚が戻らず、悩み、苦しみ、剣道を辞めたいとも思いました。しかし「先輩達の悔しさを晴らさなければいけない、それは全日本学生で優勝することにより果される」と思い、剣道を続けました。
__その「優勝」を目指す事が、さらにプレッシャーになったりしなかったのですか?
木谷:プレッシャーとかそういう次元ではなかったです。「優勝」することしか考えないでやりました。それ以外はなかったです。そして、自分を信じて稽古し、仲間を信頼して九州大会(団体)に臨みました。
__結果はどうでした?
木谷:中堅で出場し、優勝しました!復活の手応えを感じました。先生やチームメイトのお陰です。
__そして、最大の目標である全日本学生優勝大会ですね。
木谷:大会前、すごく調子が良かったです。チームの雰囲気も良かったし、「優勝できる!!」と思いました。そして、本当に優勝する事ができたんです!!本当に嬉しかった・・・(しみじみ)
鹿屋体育大学
H21、全日本学生優勝大会で優勝
__あの決勝で決めた面2本は完璧に近かったのではないでしょうか?すごく印象的でしたよ!!
木谷:ありがとうございます!!団体での優勝が最大の目標なので、本当にすごく嬉しかったです!!2年生の時の悔しい思いもありましたし、先輩達に少しは恩返しができなたかな?と思いました。
__先輩達も、そりゃ喜んでますよ!
木谷:そうであることを願います(笑)
__とにもかくにも完全復活ですね! そして冬の時期の稽古を行ない、今年の4月に最終学年4年生となりました。九州大会個人はどうでしたか?
木谷:3位でした。3年生の時の1回戦負けに比べれば、上出来だと思います。なにより、1回戦が今までに経験した事がないくらい緊張しましたね(笑)。

狙わないと優勝はできないです。

__結果が出せてよかったですね! 全日本学生選手権前の稽古はどうでしたか?
木谷:6月の1週目〜3週目に教育実習があり、母校の帝京第五高校に行ってたんです。二宮先生や高校生達と稽古して、原点に戻った思いでした。高校での稽古で「突き」の練習をしたんです。自分が高校生の時、結構突きを決めていたなって思い出しました。あと、インターハイ愛媛県予選で母校が優勝したんですよ。嬉しかったですね〜(笑)。後輩の姿を見たら、勇気をもらいましたね。
__試合前の仕上がりはどうでしたか?
木谷:実は、良くも悪くもなかったです。調子が良いと、試合でガンガン攻めて、隙をつかれて「ポカ負け」しちゃうんです(笑)。結構あるんですよね(笑)。今回は、悪い要素もあったので、それを補う意味でも集中し、悪かった時の対策も考えることができました。
__大会での目標は?
木谷:優勝を狙ってました!狙わないと優勝はできないですよ。どんな大会でも常に「優勝」を狙ってます。
__そして全日本学生では、強敵を下しながら準々決勝に進出し、同じ大学の竹下選手でした。どんな心境でしたか?
木谷:竹下は後輩なので、負けられない気持ちでしたね。勝てて良かったです(笑)。
__そして準決勝、反対側には、同じ大学の江島選手がいました。
木谷:二人で決勝をやりたかったですが、まず、自分の試合に集中しました。準決勝では「無心」で打つ事ができ、すごく強い選手ですが、勝つ事ができました。最後の一打は、勝手に体が反応しましたね。それだけの稽古もしてきたつもりですし。

たった一瞬の隙・・・

優勝を決めた突き
優勝を決めた突き

__ついに決勝戦です。対戦相手は、国士舘大学の石田選手でした。かなりの強敵ですよね?
木谷:間違いなく強敵です。小学生のころから知ってましたし、超有名選手ですよね
・・・ 文句なく強いです。それ以外の言葉はないですよ。
__対戦した事はあったのですか?
木谷:大学1年生の時に対戦し、引き分けました。
__そうでしたか。決勝戦は決着戦ですね。
木谷:いやいや、石田選手はまったくそん風に思ってないっすよ(笑)。ただ、石田選手に勝って優勝するれば、みんなに納得してもらえると思ったので、かなり気合い入りました。相手が強ければ、強いほどやる気になります。
__ちょっと話しが戻りますが、全日本女子学生では同じ大学の橋本選手も優勝してました。刺激を受けましたか?
木谷:橋本選手の優勝で、チームとして勢いがつきました。「男子も鹿体大から優勝者を出そう!」って。
__個人戦ではあるものの、団体戦の気持ちですね。決勝戦はどうでしたか?
木谷:まず、あの決勝戦の雰囲気。武道館の真ん中で、スポットライト、360度の観客席・・・ あの中で試合を出来た事は一生の思い出ですね。

男女と鹿体大が制す
男女と鹿体大が制す

__なかなか味わえないですよね。一握りの人しかあの場所には立てないですから。試合はどうでしたか?
木谷:「絶対に負けない!」という気持ちでした。しかし試合自体は、焦る事無く非常に冷静に行なえました。
__20分にも及ぶ試合でした。
木谷:そんなに長くやっている感覚はなかったです。体力は消耗していましたが、それは石田選手も一緒だったと思いますし。
__長い試合だと「早く終わりたいな?」とか思わなかったですか?(笑)
木谷:まったくないですよ!(笑)。勝つ事に必死でしたから!前阪先生と非常に厳しい稽古をしてきましたし、「勝利への執念」です。
__失礼しました! 試合展開はどうでしたか?
木谷:試合中に一つ思ったのは、石田選手は隙がないです。打っても捌かれ、隙を見せたら必ず打ってきますから。「攻め」が強かったです。とはいえ、自分の剣道を信じて攻め続けました。
__そして、最後は見事な突きでした。
木谷:やはり試合前に母校・帝京第五での稽古できたことが大きかったですね。最後の一打は、石田選手のたった一瞬の隙がわかったんです。「ここだ!」って突きを打つことができました。どこかで突きを打とうとは思っていましたが、最後は反射的に打てました。
__カッコ良かったですよ!
木谷:そうですか?アハハ
__言わなきゃ良かった(笑)。ウソです。 優勝の感想は?
木谷:ホント嬉しかったです!優勝以外は、1回戦負けも一緒だと思って出場していました。ただ、自分だけの力で優勝できたのではないです。先生方、チームメイトのおかげです。
__恵まれた環境なんですね。優勝直後の東西対抗では、見事に・・・(笑)
木谷:あ〜 それいいますか!今日は、優勝の話しだけじゃなったんですか!(笑)。日体大の柳谷選手は、ホント強かったですよ!!早いし、動きが読めなかったですね。
__そうでしたか。

王者として、返り討ちにする。

2連覇が学生最後の目標
2連覇が学生最後の目標

__最後に、今後の目標をお願いします。
木谷:九州学生大会で優勝する事ができたので、もう「全日本学生で二連覇」しかないです!!王者として、返り討ちにするくらいの気持ちです! ちょっと言い過ぎかな・・・(笑)
__それくらいの気持ちで大丈夫だと思います!学生剣道界でいま、その発言をできるのは木谷選手だけですよ!(笑)前回の優勝大会、選手権で個人で優勝しているんですから。
木谷:ただ九州学生大会でも、まだまだ課題が残る試合内容だったので、1つでも多く克服して10月の全日本学生優勝大会にのぞみたいです!!
__期待しております!!今日はお忙しいところありがとうございました!!


木谷 洋亮(きたに ようすけ)

木谷 洋亮(きたに ようすけ)
昭和63年7月1日生まれ 広島県出身
剣道四段
・広島県・育成館道場にて剣道を始める。
・市立竹原中学校
・帝京第五高校
・鹿屋体育大学

※2016現在、愛知県警
【育成館道場】全国道場連盟大会(団体)準優勝
【竹原中学校】全国中学校剣道大会 出場
【高校】全国選抜剣道大会 優勝、インターハイ個人出場
【大学】全日本学生優勝大会 優勝1回 3位1回、全日本学生剣道選手権大会 優勝


関連情報リンク

【2010年インタビュー 】 第4回 学生王者 鹿屋体育大学 木谷洋亮 前編

学生王者 鹿屋体育大学 木谷洋亮

自然が一番!!だから強くなれたんです。

「田舎ものって思われても関係ない。
いまのオレがあるのは、大自然で育ったから。」
と言い切った木谷選手。
その強さは、「環境」にあった。
山で育ち、恵まれた先生、先輩、仲間・・・
なにより「剣道が好き」ということ。
それはどんなに苦しくても「続ける」モチベーションとなる。

努力は結果として現れた。
平成21年度全日本学生剣道優勝大会では
鹿屋体育大学の優勝に大きく貢献。
平成22年度全日本学生剣道選手権大会
初の個人タイトルを手に入れた。
そして、全日本学生優勝大会2連覇を目指す。
学生剣道界の「王者」木谷洋亮選手がLET’S KENDOに初登場!!

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兄貴が怖かった・・・

中2で全国大会2位。中学生までは背が低かったんです・・・と。
中2で全国大会2位。中学生までは背が低かったんです・・・と。

__インタビューを受けていただきありがとうございます!
木谷洋亮選手(以下:木谷):よろしくお願いします。
__早速ですが始めさせたいただきます。剣道をなぜ始めたのですか?
木谷:歳が6つ上の兄の影響で、5歳から育誠館道場で始めました。兄貴には、よく稽古でぶっ飛ばされてましたね。小学生の頃は、兄貴と稽古するのが本当に嫌でした(笑)。普段は仲がいいんですよ。稽古の時だけは・・・(苦笑)
__一番身近に、一番怖い「先輩」がいたんですね(笑)。小中学生の時は、どのくらい稽古をしてたのですか?
木谷:稽古の休みは月に1回くらいですね。
__ええ〜、小学生の時からですか!?遊んだりは?
木谷:学校が終わって、友達と野球をしたりとかはなかったですね。とにかく剣道が好きだったので、苦にはならなかったですよ。当時、遊びたいからって「剣道を辞めたい」と思った事も、稽古をサボった事もなかったです。

__そうですか〜 ご立派です!(笑)。成績はどうだったんですか?
木谷:小学生の時は良い成績は残せませんでしたが、中学2年の時に道場連盟の全国大会の団体で準優勝しました。決勝で、いばらき少年剣友会に4−1で負けました。悔しかったな〜。ちなみに1勝したのは自分です(笑)。
__チームが負けたら関係ないですよ!(笑)。
木谷:そうっすね(笑)。
__中体連の大会はどうでしたか?
木谷:1つ上に鴨宮康仁先輩という、自分の憧れの方がいたんです。自分が中2の時に、鴨宮先輩が全中の個人で優勝したんです。それを見て「自分達もやるぞ!」と思い、中3の時に団体で全中に出場しました。
__全中ではどうでしたか?
木谷:3校の予選リーグで、自分の竹原中が宮崎県大王谷中に勝ち、北海道の新十津川中に負けたんです。結局3チームとも1勝1敗になり、本数差で大王谷中が勝ち抜け、そのまま優勝してました。あ〜、悔しかったな〜。
__惜しかったですね〜! 剣道ばかりで、勉強の方はどうだったのですか?
木谷:兄弟が5人いて、みんな勉強ができるのですが、自分だけ・・・(笑)

毎日、道のない所を走ってました。

駅までダッシュで山を下る!
駅までダッシュで山を下る!

__了解しました! 広島県竹原市出身ということですが、どういうところですか?
木谷:結構・・・いや、かなり田舎ですね(笑)。実家が山の中にあったんですよ。近くに学校がなかったので、小学校も中学校も電車で通ってました(笑)。
__大変でしたね!
木谷:駅まで山道を歩くと15分くらいかかるのですが、林みたな、道のないところを走ってショートカットすると、5分で駅に行けるんです。小さい時は剣道か、山で遊んでました。そんな毎日でした(しみじみ)。今になって思うと「足腰が鍛えられていたのかな?」と思います。毎日遅刻しそうで、走って駅までいってたんですけどね(笑)。
__間違いなく鍛えられたと思います(笑)

稽古中に「しんどい」を超えると、楽しくなるんです。

高1、全国選抜で優勝!
高1、全国選抜で優勝!

__愛媛の帝京第五高校へ進学します。選んだの理由は?
木谷:鴨宮先輩が行っていたので、自分も行きたいと思いました。
__広島から愛媛へ行ったという事は、寮生活になるのですね?大変でしたか?休みや、広島に帰る事はありましたか?
木谷:まず、親の有り難さを知りました。掃除も洗濯もなんでも自分でやらないといけないので。実家に帰れるのは、お盆と正月の一週間くらいですかね。
__稽古はどうでしたか?厳しかったんじゃないんですか?
木谷:かなり・・・鍛えてもらいました・・・
__えぇ〜 それは〜 木谷選手の打ち方が悪く、元立ちの先輩の竹刀が、たまたま木谷選手のノドに数十回入ってしまい、アザになったような経験があるということですか?(笑)
木谷:その通りです!(笑)。鍛えていただきました!(笑)
__強豪校だと、よくある事ですよね〜(笑)。精神的にはどうでしたか?
木谷:剣道を始めた時から、稽古で当然肉体的に疲れることはあるのですが、精神的には辛くならないですね。
__剣道が好きなんですね(笑)。
木谷:稽古は、肉体的にも精神的にも「しんどい」です。ただ、稽古中にその「しんどい」を超えると、楽しくなるんです。例えば、かかり稽古を30分くらいやると、倒れそうなくらい疲れ、非常に「しんどい」です。だけど、なにかの拍子に「しんどさ」を超えるんです。そうなると、なぜか楽しくなるというか、「やったるぜ!!」ってなるんですよ(笑)。そう言う時は、稽古後に充実感、達成感がすごくあるんです。今は試合前の追い込み時期にそうなることが多いですね。
__マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用「ランナーズハイ」に似てるのかもしれませんね。目標としてた選手はいらっしゃいましすか?
木谷:道場と高校が一緒の鴨宮先輩と、勝見洋介先輩(倉敷高→鹿体大→神奈川県警)です。あっ高校生の時に、勝見先輩に手ぬぐいももらったことがあるのです。ある合同稽古でご一緒させていただき、その時に「手ぬぐいをください!!」とお願いしたんです。勝見先輩は、自分のために手ぬぐいを洗ってから渡してくれたんです!すごく嬉しかったですね〜。「カッコいい!」と思いました!
__だけどもうなくなっちゃったんですよね?(笑)
木谷:そんなわけないじゃないすか!(笑) 大切にしまってありますよ!!
ちゃんと書いてくださいよ〜!!(笑)
__失礼しました(笑)

女子を休ませるために、がんばってた!?

__高校の稽古はどうでしたか?
木谷:週3回の朝練と、平日は夕方、土日の午前の稽古です。朝練は体力トレーニングです。夕方の稽古は4時から8時くらいまでやってました。土日は、練習試合の時もありましたが、比較的少ない方だったと思います。大学系の大会などに出場することも少なかったです。ただ練習試合では、よく先生に怒られて、口の中が引き裂けてましたね(笑)。そういう経験があるから、いまがあるのだと思います、はい。
__良い事言いますね〜!! 印象的な稽古はありましたか?
木谷:先生1人、生徒男女各1名の3名1組になり、先生(元立ち)と1本勝負をし、負けるとかかり稽古です。自分は1本勝負で結構粘れることもあるのですが結局負けて、かかり稽古でボコボコにされるんです。終わったら女子が先生と1本勝負して、かかり稽古。で、女子がすぐに先生に負けちゃうんですよ〜(笑)。場合によっては一打ちで負けたり・・・ 自分が、ぜんぜん休めなくて、まるで女子を休ませるために、長く粘ってがんばってるみたいな(笑)。
__カッコいい先輩じゃないですか〜!! サボったりはしませんでしたか?
木谷:稽古に行かなかったことはないですね。稽古中に、ちょっと面を着けるのを遅くして先生に一番でお願いしにいかなかったりしましたね。わざと遅く付けたのを見破られまして、かかり稽古でエラい目にあったことがあります(笑)。

優勝旗返還だけ行きました・・・

2年生の選抜は、優勝旗返還のみでした・・・悔しかった。
2年生の選抜は、優勝旗返還のみでした・・・悔しかった。

__サボれない、手も抜けいないんですね(笑)。レギュラーとして試合に出場し始めたのは?成績はどうでしたか?
木谷:1年生の8月からです。3年生が引退してからですね。1年の3月、全国選抜に副将として出場し、優勝しました。四国大会は2年生で優勝、3年生の時は2位でした。
__選抜の優勝は特にすごいですね!2年生の時の全国選抜はどうでしたか?
木谷:予選で負けたので、優勝旗返還だけ行きました・・・(しょんぼり)
__あら・・・ ショックは大きかったのではないでしょうか?
木谷:すごく落ち込みました。監督も呆れていまいした(笑)。落ち込んでいる時に、先輩などに励ましてもらい復活しました!
__ということはインターハイも出場したんですか?
木谷:団体は負けちゃったんですけど、個人では出場しました!インターハイでは、負けちゃいましてけど(苦笑)
__出場できたのは、よかったですね〜!。さて、高校で実績を作り、大学進学となります。関東などの大学は考えていなかったのですか?
木谷:関東はまったく考えになかったです。勝見先輩がいる、鹿屋体育大学に行きたかったんです。そして、関東の大学に、西日本、九州の大学の強さを見せつけたかったんです。あとやっぱり都会より自然があったほうが落ち着きますよね(笑)。自分のわがままを、帝京第五の二宮先生のお陰で入学する事ができました。本当に感謝してます。
__大学の選択は木谷選手らしいですね。育った環境近かったり、憧れの先輩がいるだけでモチベーションも高くなりますよね。


木谷 洋亮(きたに ようすけ)

木谷 洋亮(きたに ようすけ)
昭和63年7月1日生まれ 広島県出身
剣道四段
・広島県・育成館道場にて剣道を始める。
・市立竹原中学校
・帝京第五高校
・鹿屋体育大学

※現在は愛知県警です
【育成館道場】全国道場連盟大会(団体)準優勝
【竹原中学校】全国中学校剣道大会 出場
【高校】全国選抜剣道大会 優勝、インターハイ個人出場
【大学】全日本学生優勝大会 優勝1回 3位1回、全日本学生剣道選手権大会 優勝


関連情報リンク

インタビュー – 第2回 遅咲き剣士 橋本桂一(伊田テクノス)

「名門」「エリート街道」はまったく通ってません!

「過去の戦歴だけがすべてではない」
経験と努力で這い上がってきた伊田テクノス“エース”橋本桂一選手
ロングインタビュー!!いまでは”実業団 NO.1”と言われるまでになった男の歩んできた道を
ざっくばらんに語ってもらいました!!

自宅に道場があったんです。

愛車ハマーに載って登場!!
愛車ハマーに載って登場!!

__今日は埼玉国体の合宿が終わったばかりだというのに、インタビューを受けていただきありがとうございます!
橋本桂一選手(以下:橋本):こちらこそ、遠くまで来ていただきありがとうございます。
__早速ですが、インタビューを始めさせていただきます!まず、なぜ剣道を始めたのですか?
橋本:自宅に道場があり「剣誠館橋本道場」をやっていたんです。幼稚園の年長から始めました。僕から「やりたい!」と言ったらしいのですが、まったく覚えてないです(笑)。
__えー!そうなんですか!いまでもその道場で稽古をしているのですか?
橋本:いえ、高校生くらいの時に自宅建て替えに伴い、道場はなくなりました。なくなるときはあまりにもあっさりでしたね(笑)。ただ色々な思い出があったので「なくなる」と聞いた時は泣いてしまいましたね。
__そうなんですか。
橋本:あと小学校高学年から中学校の時に、妙武館という道場にも通っていました。埼玉県警の井口清先輩も妙武館出身です。そこはレベルが高くて、良い稽古もできました。
__週に何回くらい稽古していたのですか?剣道は好きでしたか?
橋本:月に1回やるかやらないかですね。あまり好きではなかったですよ(笑)。中学校受験の塾通いで全く剣道なんて出来ませんでした。

名門・九州学院中学校に武者修行!?

中3で九学に武者修行。
中3で九学に武者修行。

__え〜 週1回ですか!少ないですね〜(笑)。中学生の頃はどうでしたか?
橋本:私立の京北中学校(東京)に入学し、電車で1時間以上掛けて通ってましたね。剣道がやりたいからとかではなく「お受験」したんです(笑)。
__へ〜。剣道が強い人から「お受験」なんてめったに聞けない言葉ですね(笑)。剣道部にも入部したんですよね?
橋本:はい。ただ・・・
__ただ??
橋本:結構サボってました(笑)。だって家が道場ですから、帰っても師範である父と稽古しなきゃいけないんですよ。しかも僕が帰ってくるのを待ってるんです(笑)。
__逃げ場がないですね(笑)。家ではどんな稽古をさせられていたのですか?
橋本:父は基本を大切にするので、切り返しや打ち込み(かかり稽古)ばかりです・・・。殴られたりすることはなかったですが、稽古はその分厳しかったですね・・・(しみじみ)
ただ、あれをやったからこそいまがあるのかな?って思います。キレイな正しい剣道を目指しているので・・・。今更ながら感謝してます(笑)。というか、今だに稽古をつけてもらってます。強いんですよね〜。
__一番近くに、一番良い元立ちがいらっしゃるんですね(笑)。中学生の時の戦績はどうだったんですか?
橋本:中学2年生の時に、東京都で個人3位になり関東大会に出場し、1回戦負けでした。悔しかったですが、「また来年ある!」と心を切り替えられました。
__そして中3の時はどうでしたか?
橋本:そうそう、中3の時に監督から「九州学院に行ってこい」と武者修行を命じられたんです。一人でですよ〜!「トップレベルを経験してこい」という意味だったと思うのですが。当時、内村良一選手(現・警視庁)などがいて、良い勝負ができたんです。自信になりましたね。ただ中3の関東大会は・・・ 東京予選のベスト8(個人)で負けました。
__あら、残念でしたね〜。
橋本:予選で負ける前までは「高校では、強豪校でやってみたい!!」と思っていたのですが、負けた瞬間にその思いはなくなりましたね。そこからちょっとグレちゃいました。
(笑)。「強豪校に行って坊主になり、毎日稽古やって・・・ そんなに剣道なんてやりたくねぇよ」って(笑)。

稽古をサボらない様に見張られてました(笑)。

稽古をサボり何度も脱走!?
稽古をサボり何度も脱走!?

__そうですか(笑)。どんなグレかたをしたんですか??
橋本:髪を染めたり、近所の○○を・・・(割愛)
__ハッキリ言って載せられないですね(笑)。そして、高校でも剣道は続けましたよね?
橋本:はい。高校入学の時は心を入れ替えて「名門じゃないけど、絶対全国大会に出場してやる!」と思ってましたよ。サボったりはしてましたけどね(笑)。
__やっぱりサボりぐせは治りませんでしたか(笑)。
橋本:ある日「今日はサボろう!」と思って帰宅しようとしたら、先輩が学校の正門、裏門を見張ってんですよ!「橋本をサボらせるな!」って部活で話し合いがあったみたいなんです(笑)。
__「橋本包囲網」ですね(笑)。
橋本:そうですね(笑)。その時は自分の「サボりたい!!」気持ちが、先輩達の「帰らせない!」気持ちを上回り、校舎裏の塀を乗り越えて脱出しました(笑)
__執念ですね(笑)。次の稽古でヤラれなかったですか?
橋本:やられました(笑)。
__あらら、それはしょうがないですね(笑)高校での戦績はどうだったんですか?
橋本:団体は1年生からレギュラーに入れました。ただ・・・ 3年間1度も、タイトルはおろか、関東大会すら出場できませんでした・・・。
__ええ〜 そうなんですか!じゃあ、中・高校生での戦績は、中2の関東大会個人だけってことですか?
橋本:そういうことです(笑)。

剣道を辞めて音楽で食って行きたかった。

音楽への夢はい今だに捨ててない!?
音楽への夢はい今だに捨ててない!?

__いまの活躍からは想像ができないですね〜。戦績のない状態だと、大学も剣道推薦は・・・?
橋本:そもそも剣道は、辞めようと思ってました。3年生になってから、スタジオを廻ってバンドを組んだんです。ギターやドラムなどの楽器もできましたが、ボーカルをやってました(笑)。
__意外ですね〜。
橋本:最初のうち、剣道一筋の父親には言えなかったですが、続けているうちにバレましたね。そしてインターハイ予選で負けて、本気で「大学へは行かず、バンドで成功する!!」と思い、両親にも相談しましたが大反対。当然ですよね(笑)。「頼むから大学は出てくれ」と言われたので、当然受験勉強はしていないのですが、試験を受けて帝京大学に合格しました。
__勉強しないで大学に合格するって私からしたら、そうとうすごい事ですよ!そして大学に入学し、「一般生」として剣道部に入部したのですよね?バンドはどうしたんですか?
橋本:バンドは、大学受験前に「方向性の違い」で解散しました(笑)。それでも剣道はあまりやる気がなかったのですが、親父に「やらないなら防具は捨てる」と言われて「それはちょっと・・・」と思ったんです。なので、大学の入学式が終わって4月の中旬くらいに一応剣道部に入部しました。

ビックマウス?有言実行?

3年時、全日本学生選手権で3位入賞。
3年時、全日本学生選手権で3位入賞。

__はい、大学剣道をどう思いましたか?
橋本:1年生の5月に行なわれた関東学生選手権を見て「オレならやれる!」と思ったんです。無駄に自信があったんですよね〜、なんでだろうな(笑)。僕は覚えていないのですが同級生に「オレは関東学生か全日本学生(個人)でベスト4に進出する!」って言ってたらしいんです(笑)。そしたら「とんでもないビックマウスが入部して来た」って噂になってたみたいです(笑)。
__「剣道推薦」でもないヤツが何を言っているんだ?って感じになっちゃったんですかね〜(笑)
橋本:その大会後からは毎日一番に道場へ行って掃除して、稽古では先生に嫌がられるほど毎日お願いし、稽古終了後も先輩や同期を誘って居残り稽古をしてましたね。
__おお!なんかやっとやる気が出てきた話しがでてきましたね!
橋本:1年生の頃は、縁があって中央大学に出稽古へ行ってました。強豪選手も多くいましたし、その中で「自分の剣道が通用する。」という自信もつきました。そして2年生頃からは、大学の稽古がない日に埼玉県警の稽古へ参加するようになりました。
__どんな経緯だったんですか?
橋本:初めて出場した「全日本選手権 埼玉予選」の時に、井口清先輩と延長までやらせていただき負けたのですが、試合後に声を掛けていただいたことがきっかけです。そして、県警で井口さんと初めて稽古させていただいた時に「心を読まれ」完膚なきまでに打たれました。忘れられないです(笑)。
__稽古も充実し、今度は「ビックマウス、公約の達成」ですね。
橋本:2年時の関東学生選手権は、開会式後の1試合目で2本負けしました。そして3年時も同じ開会式後の1試合目だったんです。何かの「運命」を感じましたね。これで2年連続初戦敗退なら、試合を勝つセンスがないと思い、背水の陣で臨みました。そしてその大会で、ベスト8まで勝ち上がりました。全日本学生選手権への出場も決まり「ベスト8」に満足している自分もいました。そして「燃え尽き」状態になってしまったまま、翌々月の全日本学生剣道選手権に出場したんです(笑)。

剣道人生を大きく変わるキッカケと出会えた

「全剣連強化訓練合宿」で剣道観が変わる
「全剣連強化訓練合宿」で剣道観が変わる

__ええー!(笑)。どうやって修正したんですか?
橋本:全日本学生での試合では、先制されては逆転してなんとか勝ち上がったんです。3回戦だったかな?某大学の選手と対戦し、小手を先制されたんです。その時に、大学特有の「ヒューヒュー」っていうのが聞こえてきて、なんかそれを聞いたら急に燃えてきちゃったんですよね(笑)。ただ、稽古をしていましたがあまり良い状態ではなかったので、試合中に急に心が燃えても、稽古不足で身体がついてこない・・・ ホント「気持ち」だけで3位になれました。すごく良かったです!この結果によって、剣道人生を大きく変わるキッカケと出会えたんですよ。
__そのキッカケとは?
橋本:「全剣連強化訓練合宿」に参加させていただけるようになったんです。参加選手は、世界大会に出場する選手などですね。やはり警察官が圧倒的に多かったですが、高校生や大学生も全国大会の成績次第で招集されるんです。合宿では、木刀での素振りから始まり、稽古、練習試合などを行なうのですが、それだけではなくて、剣道の基本的な礼儀や姿勢、稽古・試合での重心、力の込め方などを教わり、自分では身に付けていると思っていたのですが、全然違いましたね。
__例えばどんな事ですか?
橋本:面を抱えて歩く時の持ち方一つから違うんです。衝撃的でしたね。また、トップ選手の動きや技を研究ができたことが収穫ですね。マネをするのではなくて、アレンジして自分のものにした技もあります。
__日本を代表する選手達は防具の持ち方から違うんですか・・・ 私にも今度教えてくださいね(笑)。総決算の4年生の時はどうでしたか?
橋本:関東学生選手権はベスト8になりました。そして、全日本学生選手権大会1週間前に、稽古で腰骨にヒビがはいってしまい稽古できないまま、出場しました。当然1回戦負けです(笑)。
__欠場しなかっただけ立派だと思います!
橋本:意地でしたね(笑)。東西対抗も出場させていただき、そこでは5人抜きしました。5人抜きってあんまりやった人がいないんですよ。個人戦は1回戦負けでしたが、東西対抗でうっぷんが晴れました。
__それは良かったですね!! そして大学を卒業することになります。警察に行きたいとは思いませんでしたか?
橋本:行きたかったんですけどね・・・ いろいろあったんです(笑)。やはり地元で活動したいという思いから、伊田テクノスに入社しました。

毎晩飲んだり、遊んだりしていました(笑)

__実業団の強豪ですよね。剣道ばかりで、遊んだりはしなかったですか?
橋本:毎晩飲んだり、遊んだりしていましたよ。稽古も最低限してましたが、飲む方が優先でしたね(笑)で、当時の彼女は××の・・・(残念ながら割愛)
__橋本さん!!これまた載せられませんよ!!(笑)。
橋本:すいません(笑)。
__橋本選手は、中・高・大と名門校出身という訳ではないですよね。大学までは戦歴も残せてません。今の活躍がウソのようですね。
橋本:よく言われます(笑)。だから「戦歴」だけじゃないんですよ、自分の場合は。親父と自宅の道場で稽古できる環境や、良い指導者・先輩との出会い、出稽古やいろいろな合宿に参加したこと、たぶんそう言った事では他の選手より恵まれていたし、良い経験をしていると思います。当然試合で悔しい思いもたくさんしていますし。
__剣道のスタイルとしてはどうですか?強くなっている実感はありますか??
橋本:最近やっと自分の課題としている左手の使い方がわかってきて、納得できる剣道になってきました。まだまだ強くなってる実感もあります!最近調子いいんですよ、あっちもこっちも(笑)。

代表戦?好きじゃないですよ!!(笑)

目を開けて「トンッ」となったら勝率100%!?
目を開けて「トンッ」となったら勝率100%!?

__なんですか、あっちもこっちもって!スルーします。きっと掲載できないので(笑)。え〜、先日の関東実業団剣道大会は、何回も代表戦を勝ち抜いて優勝しました。雑誌でも書かれてましたね(笑)。代表戦が好きなんですか?(笑)
橋本:好きじゃないですよ!!!(笑)。だけど、いつでも代表戦をやりますよ。なんて言うんでしょうか・・・「エースの自覚」ですかね?(笑)。ここ3年で20回くらい代表戦をやってますから。負けたのは1回です、はい(ちょっと誇らしげに)。
__すごい勝率ですね!!なにか秘訣はあるのですか?
橋本:代表戦まできたら「気持ち」が重要です。あと、これは代表戦だけにかぎったことではなくて毎試合、面を付ける前に手を合わせて集中するんです。それをやると緊張感がなくなり、安心・集中できるんです。さらに大会が中盤になるにつれて集中力が高くなっている時は、手を合わせて目を開けた時に頭上で「トンッ」って音が聞こえる時があるんです(笑)。その音が聞こえた時は良い試合ができ、いままで全部の試合で勝ってますね(笑)。
__勝利の女神に頭でも叩かれるんですかね??(笑)
橋本:そして試合コートへは右足から入り、大きく息を吸い蹲踞するまでにゆっくり息を吐きます。「験担ぎ」みたいのはありますね。ただ緊張感は絶対に必要です。「緊張感がない」=「気が抜けている」と、だいたい負けますね(笑)。
__そうですか〜。細かい勝負へのこだわりがあるんですね。そしてここ数年、フィジカルトレーニングも行なっているようですね?
橋本:はい。自分は背が小さいので、どうしも当たり負けや身体がぶれてしまう事があり、それって体力をすごく消耗するんですね。いなされたりすると「嫌だな」って思うじゃないですか。トレーニングをやりだし、体幹が鍛えられてる実感もあり、当たり負けしなくなっただけでなく、剣道でも「中心」が強くなったと思います。
__どんなスポーツでも最近はフィジカルトレーニングの重要性が見直されてますよね。さて、今年は9月の全日本選手権埼玉県予選の出場と10月に千葉で開催される国体の埼玉代表になっています。
橋本:まず国体ですが、予選で埼玉県警の方々に勝ち、優勝できた事が非常に自信になりました。6月の関東実業団でも優勝する事ができましたし、調子がいいですね。そして9月の全日本予選までは、普段の稽古と埼玉国体の強化合宿などもあり、稽古回数も確保できてるので、あとは集中力を切らさずにやるだけですね。そして、国体予選と関東実業団で試合前の調整方法もわかってきました。

ビール1杯が勝利の秘訣!?

試合前日のビールで運気も寄せる
試合前日のビールで運気も寄せる

__調整方法とは?
橋本:大会2週間前からアルコールを止め食事制限もして、かなりキツい稽古をして心身ともに追い込みます。そして、1週間前からは稽古を軽めにします。国体予選の時は体調を崩して、軽めどころかほとんど稽古ができなかったんですよ。大会当日に疲れがなくて、調子が良かったです。体調崩したのが良かったのかな?(笑) そして、ここが最大のポイントです!大会前日に350mlのビールを飲むんです(笑)。今までは、2週間前からアルコールは一切控え、食事にも細心の注意を払っていましたから、まさか試合前日にアルコールなんて考えてもいませんでした・・・
__へ〜。ただ基本的に試合前に体調は崩しちゃダメですよね(笑)。
橋本:その国体予選と実業団とも前日に1杯飲んで、優勝できてるんです(笑)。今までは、大会前日までに体はリラックスできたのですが、精神的には追い込まれていたのかな?と。この1杯で、心のリラックスも可能になりました。今後も続けます(笑)。
__それは続けるべきですね!!今年の全日本予選の抱負は?
橋本:「今年こそ!!」と思ってます。毎年言ってるんですけどね(笑)。本当に今年こそは!!今までは「出場」が目標でしたが、目標を上げて「出場してベスト8以上に入る」ことです。本当は『優勝』って言いたいんですけど、恐らくバカにされると思うので、控えめにしてます(笑)。そもそも出場してないんですけどね(笑)。だけど、それくらい調子がイイですよ。
__全然控えてないじゃないですか!「ビックマウス」が出ましたね(笑)。ただ学生の時も実現してますから、有言実行型だと思います!!
橋本:全日本選手権の準々決勝でテレビ放映されて、ジャンクスポーツに出演して、浜ちゃんを笑わせて、ちゃっかり音楽デビューし武道館でライブをする!!そして全国ツアーを行ない、ファイナルの東京ドームは超満員!!って予定だったんですけど(笑)。なかなか選手権に出場できなくて、ジャンクも終わっちゃいましたね(笑)。あっ最近、ヴァイオリンを買ったんですよ。安いヤツなんで音が良くないですけど。
__夢がデカイっすね!! ヴァイオリンって・・・ ドカベンの殿馬みたいに、リズミカルな剣道になっちゃいそうですね(笑)。そして最後に、10月に行なわれる千葉国体に関してはどうですか?
橋本:国体はやはり、チームワークが非常に重要だと思います。合宿を重ねる事により剣道の強化もできますが、チームワークの面でもよくなると思います。本戦では、優勝目指します!あと、9月(20日)に全日本実業団剣道大会があり、いままでの最高成績が準優勝なのです。伊田テクノス創業100周年の今年に、関東実業団は取ったので、どうしても全日本実業団で優勝したいですね!!
__また代表戦になってしまうかもしれませんね(笑)。 各大会とも期待しております!!本日はどうもありがとうございました!!


橋本桂一

橋本桂一(はしもとけいいち)
昭和55年10月7日生まれ 埼玉県出身
剣道五段
剣誠館橋本道場にて剣道を始める。
私立京北中学校・高等学校
帝京大学 出身
現在:伊田テクノス勤務
【戦績】
国民体育大会剣道競技 優勝1回 出場2回
全日本都道府県対抗剣道優勝大会 出場4回
関東実業団剣道大会 優勝2回 三位1回 最優秀選手賞1回
全日本実業団剣道大会 敢闘賞2回
全日本都道府県道場対抗優勝大会 準優勝1回 三位2回 敢闘賞1回
全日本学生剣道選手権大会 第三位
全日本学生東西対抗試合 出場2回 優秀選手賞1回
関東学生剣道選手権大会 敢闘賞2回

※橋本選手のブログは下記よりご覧頂けます!!
橋本桂一 オフィシャルブログ 『一所懸命一生懸命一生剣道』

※2010/7/10公開記事

インタビュー – 第1回 実業団の猛者 梅山義隆(NTT東日本) 後編 大学生〜現在

数々のタイトルを獲得し、選手としての集大成の時期にさしかかっている、梅山義隆選手(34歳)。
剣道を始めて30年、その足跡を駆け足でお伝えしようと思います。
今回のロングインタビューは、前編を剣道を始めたキッカケから高校生まで、後編を大学〜現在と2回に分けてお伝えします。

挫折、衝撃の舞台とは・・・

梅山義隆

ー専修大学へ進学し、剣道を続けることになります。稽古は、どうでしたか?
梅山義隆選手(以下:梅山):普段の稽古は、1時間半くらいです。高校の時に比べたら、楽でしたね(笑)。ただ合宿は、すごくキツかったです。高校以上でした。

ー普段の稽古で、物足りなさや方針に、疑問を持ったりしませんでしたか?
梅山:それはなかったですね。専修大学の山田監督は、自由にというか、個性を生かすというような方針だったので、私に合ってました。監督から、「左手・左足」を特に意識する事を教えられ、強くなれたと思います。福大大濠の黒木先生も、長所を延ばすような感じだったと思います。

悔しい2位

ー大学では、関東学生団体優勝などで活躍されました。今日は大学3年生時の、関東学生個人2位について、お伺いしたいと思います。「2位」というのは、単純にスゴい事だと思います。ただ、選手によって、「2位」の受け止め方はさまざまです。先日のバンクーバーオリンピックで、銀メダルを獲得したフィギュアの浅田選手は「悔しい銀(2位)」、スピードスケートの長島選手は「嬉しい銀(2位)」でした。この例えで言うと、梅山選手の2位は、どちらですか?
梅山:「悔しい2位」でした。準々決勝あたりから、あの「ひらめきの面」が出始めたので、「優勝できる!」と思いました。そして決勝戦の相手は、1学年上の川原選手(当時:明治大学)。延長を繰り返し、最後は一瞬の隙をつかれて負けてしまいました。

ー敗因は、なんだったのでしょうか?
梅山:調子が良かったので、自分から攻めすぎてしまったしまったのだと思います。例えばですが、必殺技は「ここぞ!」と言う時に出してこそ、必殺技と言えるのでしょう。この敗戦で「試合の組み立て方」という課題ができたので、負けて良かったとは言えないですけど、得るものは大きかったです。

梅山義隆
手首の柔らかさを活かした胴も得意としている。

ー「組み立て」「得たもの」とは、具体的にどのよなことですか?
梅山:自分のスタイルである「攻める」だけでは勝てない、という事を学びました。「打つ機会」を待つというか、作るというのでしょうかね。
ーなるほど。ちょっと話がそれてしまうのですが、試合で「負けてしまうかも?」と、思う事はありますか?
梅山:ん〜、ないですね。負ける事を恐れず「やってやるぞ!」って思います。予想外の力が出せたりしますね。
ーそうなんですか。そして大学を卒業し、現在のNTT東日本へ入社します。警察官になろうと思ったことはないですか?
梅山:ないですね。教員になりたかったです。ただ、専修大学では「社会科」の教員免許しか取れなかったんです。できれば体育の免許が欲しかったです(笑)。今は、母校・専修大学剣道部のコーチとして、私の経験してきたことを、少しでも学生達に伝えたいと思ってます。
ーNTT東日本は、実業団の中で強豪ですが、あくまで会社員です。警察や教員に比べたら、稽古が少ないと思います。1回の稽古に対するモチベーションや、考え方などは変わりましかた?
梅山:稽古が1時間であっても、それ以上の稽古ができるようにしたいと思ってます。現状ですと、週に1〜2回できればいい方です。仕事によっては2〜3週間、稽古ができないとストレスになります(笑)。
ー具体的に「時間以上の稽古」とは、どういうことですか?
梅山:稽古が終わったら、稽古日記みたいなものをつけてます。例えば3分の地稽古行ない、後でその3分を思い出して、反省点などを手帳に書いています。気持ちの問題でもあるのですが、頭で考え、イメージする事によって2倍、3倍の稽古をしています(笑)あとは、稽古のための心の準備をします。稽古前、または稽古する数日前から。
ーなんかデートの前に、あの映画見て、あそこでご飯食べて・・・なんて考えますよね?そんな感じですか?(笑)
梅山:そうそう、その感覚に近いもしれないですね(笑)。あと、稽古の為に仕事や用事は、済ませるようにしてます。別に、仕事で手を抜いたりサボったりする訳ではないですよ(笑)。それくらい1回の稽古を大切にしてます。

出場してはいけない大会に出場してしまった・・・

出場してはいけない試合に出てしまった
栄光と挫折を味わった日本武道館

ーでは、全日本選手権に出場したときの事をお伺いします。2006年、東京予選で3位になり、出場権を得ました。準決勝の相手は?
梅山:警視庁の内村選手です。以前に対戦していたので、イメージはあったのですが・・・ 結果的に2本負けでした。準々決勝までは「ひらめきの面」が、出てたんですよ!ただすでに選手権出場が決定した後だったので、足の痛みを感じてしまい(笑)準決勝はでなかったですね(笑)。
ー内村選手の印象はどうですか?
梅山:強いです。どこから何がくるか、わからないですからね。その予選の前年に、内村選手と練習試合で対戦していて、引き胴で勝ったんですよ(笑)。練習試合なので、内村選手は100%の力ではないかもしれませんけど。その勝ちは、剣道をやる上での自信にもなっています。
ーそれは自信になると思います! 全日本選手権は、どうでしたか?
梅山:まず、1回目の出場が23歳の時で、まわりは年上の人ばかりでした。控え室でも居場所がないような感じでしたし、なにより完全に浮き足立ってましたね。試合も、何がなんだかわからない間に、終わってしまいました。そして2回目、今度は年下ばかりでしたね(笑)。その時は、全日本選手権の雰囲気を味わうことができました。試合は負けてしまいましたが、自分の剣道をすることができました。満足はしてないですけどね(笑)。
ー2回目の出場では、1回戦で福岡代表・松岡選手と対戦しました。
梅山:松岡選手とは、高校時代によくやっていました。印象的なのは2年生の冬、第2回全国選抜・福岡予選決勝の相手です。高校の時に勝てなかった相手が、まさか全日本選手権で対戦し・・・やっぱり勝てなかった(笑)。
ー苦手な相手、タイプって言うのがあるのでしょうね。「全日本選手権出場」、自信がついたのではないでしょうか??
梅山:いや・・・ 出場してはいけない大会に出場してしまった・・・。パンドラの箱を開けてしまったような感じ、と言うのでしょうかね。1回目の出場後は、自分を見失ってしまいました。
ー燃え尽きてしまったのでしょうか?
梅山:プレッシャーですかね。大学を卒業し、まだ勢いのある中で、予選を勝ち上がることができたんです。ところが、あの大会に出場することで、勝手に周囲の期待を感じてしまい、いい試合をしなければならないと思い込んでしまった。「またあの舞台に上がるには・・・」なんて考えても、答えがわからなかったですね。初めて剣道で辛いと感じました。
ーそれでも稽古は続けていたんですよね?
梅山:続けてはいましたが、自分の剣道がまったくできなかったです。初出場後2〜3年は、全然ダメでしたね。試合でも、当然勝てなかったです。
ー復活のキッカケは??
梅山:ん〜 続けているうちに・・・というのでしょうか。気持ちのリセットの仕方を覚えました。過去の栄光は栄光として、胸にしまうことができるようになった、というのかな。うまく忘れるというか・・・。だからと言って、またすぐに全日本に出場できたわけではなく、8年かかって2回目の出場ができたんです(笑)。
ー全日本選手権は、「剣道の強さ」だけではなく、「心の強さ」も必要なんですね・・・。

引退、考えますね。 ただ・・・

今年の都道府県大会、東に京代表・五将として出場する
今年の都道府県大会、東に京代表・五将として出場する

ー今後の目標は??
梅山:やはり最終的な目標は、全日本選手権に3回目の出場をすることです。2度ある事は3度ある・・・なんて(笑)。
ーいやいや、期待してますよ!あと、4月の全国都道府県対抗剣道優勝大会・東京都代表(五将)として出場します。
梅山:いままで、予選で勝てなかったので・・・ 初代表です(笑)。今回の予選には、妻と子供が来ていたので、いままで以上に「がんばらないとな」って思ったんです。勝ててホントに良かった(笑)。本戦は団体戦なので、迷惑を掛けないようにやるだけです!!
ー期待しております!!梅山選手は、現在34歳です。そろそろ、「引退」を考えたりしますか?
梅山:ん〜 NTT東日本のキャプテンもおりましたし、引退、考えますね。 ただ、すぐに辞めようとは思ってないです。今まで以上に、1年1年をしっかり集中して、やっていきたいと思ってます。40歳までは、現役でやってないと思います(笑)。あくまで「現役引退」なだけで、剣道を辞めるって訳ではないですからね。昇段審査も、ずっとありますし。
ーわかりました。最後に、お子さんがお生まれになりました。ズバリ、剣道をやらせたいと思いますか?
まだ小さいですからね(笑)。ん〜、やっぱり一度はやらせたいと思いますよ。その後は本人次第で(笑)。
ー奥様も剣道をやられていますよね?いつかは親子で三人団体戦なんてできたらおもしろいですね(笑)。
娘が18歳になったら、私は50歳をすぎてるのか〜 まだまだがんばらないとダメですね(笑)。
ー今後も、ご活躍を応援しております!今日は本当にどうもありがとうございました!!


インタビュー中は終始笑顔で、「ホントに強いのかな??」なんて思ってしまうほどでした。
梅山選手は、「面を付けたら強気になれる」と言ってました。確かに先日の都道府県大会東京予選でも、勝負強さをいかんなく発揮してておりましたので、間違いないです!!4月の本大会では、「ひらめきの面」をだしていただきたいと思います!!


梅山義隆選手

梅山義隆(うめやまよしたか)
昭和50年12月3日生まれ 大分県出身
身長168cm 体重70kg
剣道六段
大分・三芳少年剣士会にて剣道を始める。
日田市立東部中学校
福大大濠高校 九州大会個人、玉竜旗、インターハイ 各優勝
専修大学 関東学生(団体)優勝、関東学生(個人)2位
NTT東日本 全日本実業団、関東実業団 各優勝3回
※全日本選手権 2回出場
※専修大学剣道部コーチ

関連情報リンク

インタビュー – 第1回 実業団の猛者 梅山義隆(NTT東日本) 前編 幼稚園〜高校生

数々のタイトルを獲得し、選手としての集大成の時期にさしかかっている、梅山義隆選手(34歳)。
剣道を始めて30年、その足跡を駆け足でお伝えしようと思います。
今回のロングインタビューは、前編を剣道を始めたキッカケから高校生まで、後編を大学〜現在と2回に分けてお伝えします。

テレビに出るために強豪校へ!?

梅山義隆選手

 ーーインタビュー企画第1弾です。よろしくお願いいたします!
梅山義隆選手(以下:梅山):こちらこそ。

ーー最初に、「LET’S KENDO」というマイナーサイトはご存知でしたか?
梅山:知ってましたよ。他の部員たちも見てますよ。

ーーうれしいです!!早速ですが始めさせいただきます。
梅山:お願いします(笑)。

ーー剣道を始めたキッカケはなんだったのですか?
梅山:私が幼稚園の頃、1才年上の兄貴と小学校の体育館で遊んでいる時に、三芳少年剣士会が稽古をしていて「やりたいな」って思ったんです。軽い気持ちでした(笑)。指導では、小宇佐先生や本川先生が勝負だけではなく、剣道の本質や楽しさを教えてくれたことが、剣道にのめり込むキッカケとなりました。私の剣道に対する「原点」となることをたくさん教わりました。

ーー小学生の頃の成績はどうでしたか?
梅山:自分の納得できる結果は、まったく得られなかったですね。「日本一」を目標としていましたが、道場連盟の全国大会大分予選は勝ち抜くものの、優勝には至りませんでした。毎日稽古していたんですけどね(笑)。

ーー中学校でも剣道は続けられましたよね?
日田市立東部中学校に入学し、剣道部に入部しました。

ーー練習環境は、どうでしたか?
梅山:中学校の部活で約2時間、その後、三芳剣士会に行ってまた稽古してました。稽古が増えましたね(笑)。休みは基本的に日曜日でしたが、中学生の時も結局試合などで休むことはほとんどなかったですね(笑)。

ーー小学生の頃から毎日剣道をやり、さらに中学生になってからは二部練習ですか(笑)。中学生の頃の成績はどうでしたか?
梅山:全国中学校大会も九州大会も、出場していないです。県大会であと一歩のところまでは、いってたのですが・・・ 個人戦もダメでしたね。道場連盟の大会でも、勝てなかったです。だから、小・中ではホントに結果が残せなかったんですよ(笑)。

私のほうからお願いをして、入学させてもらったんです(笑)

ーー高校は名門・福大大濠に進学しました。どのような経緯だったのですか?
梅山:中学生の時に、玉竜旗のテレビ放映を見ていたんです。「テレビに出て、さらに日本一になれるのは、福大大濠ではないか?」と勝手に思ったんです(笑)。

ーー剣道推薦で入学されたんですよね?
梅山:ん〜 推薦入学ですが、私のほうからお願いをして、入学させてもらったんです(笑)。

ーーそうだったんですか(笑)。今までの経歴を見させていただいたら、スカウトされて入学したのかと思ってました。入学後は、寮生活となりました。先輩方と同じ屋根の下、いろいろと大変だったのではないでしょうか?
梅山:福大大濠には、体育寮と勉強寮があったんです。私は剣道推薦でしたが、なぜか勉強寮だったんです(笑)。だから先輩達とは、一緒ではなかったんです。運が良かったのか、悪かったのか(笑)。

ーー良かったと思います(笑)。自主練習はしていましたか?
梅山:夜8時に部活が終わり寮で夕食を済ませた後、勉強寮生は強制で約2時間の「勉強会」が毎日あったんです。まぁ参加していただけですけど・・・(笑)。その後に、寮の近くにあった非常に急な坂を、何本もダッシュしてましたね。他の寮生からは、あきれた感じで「よくやるね〜」とか「がんばってるね」なんて、言われてましたよ(笑)。私はそんな感覚、一切なかったですけどね。

ーー陰の努力があったのですね。剣道日本3月号のインタビューで「コンクリート入りのタイヤを引いていた」というのを読んだのですが。
梅山:あ〜 それは、剣道部の朝練でやっていました(笑)。決して楽ではないですけど、「坂道ダッシュ」のおかげで、死ぬほど辛かった訳でもないですね。

「ひらめきの面」、相手の動きがスローモーションみたいに遅く見えましたよ

ーー同期は何人いたのですか?
梅山:最初は10人、最終的には7人になっちゃいました。同期は、本当に強かったですね。ただ私は、大分から福岡に出て来たので「負けられない」「結果を出す」ということを常に思ってました。あと、大会や練習試合の度に親が大分から見に来てくれていたので、喜ばせるためにも「強くなってやる」と心に決めていました。

ーー強い決意があったんですね。1年生の時は、雑用など大変だったんじゃないですか?
梅山:私は「部室掃除係」でしたね(笑)。キレイに掃除していたつもりだったのですが、先輩の機嫌が悪かったのか、気に入らなかったみたいで、めちゃくちゃに怒られたことはありましたね。あれにはまいったな〜。確かに私自身、いまだにちょっと片付けは苦手なのはあるんですけど(笑)。

ーー気まぐれな先輩っていますよね(笑)。実家に帰る事はあったんですか?あと、ホームシックになったり。
梅山:夏と正月に、一泊二日くらいでしょうか。ホームシックになりましたね(笑)。ただ、自分が決めたことだし、親にも無理を言って入学させてもらったので、引くに引けないところはありました。

梅山義隆選手

ーーでは、自分が「強くなったな」と感じた瞬間、またはキッカケとなったことはありましたか?
梅山:1年生の12月、千葉・習志野高校での練習試合の時に「あっ、これは!」という、面打ちが偶然出来たんですよ。「ひらめきの面」っていうんですかね?「打てば当たる間合い」というのを見つけたんです。当時、自分が考えていた間合いより「一歩遠間」だったんです。その練習試合では、面だけではなく、小手でも何でも当たってましたね。相手の動きが、スローモーションみたいに遅く見えましたよ(笑)。ちょうど福大大濠剣道部監督・黒木先生も見ていくれていて、普段はまず褒めてくれない先生が、褒めてくれたんです。

ーー強い人の話しを聞くと、「ひらめき」的なものがあると聞いた事があったのですが、梅山さんもあったんですね。
梅山:その「ひらめきの面」は、1日に数えくきれないくらい練習試合をして、肉体的にも精神的にも限界だったからこそ、出来た事なのではないかと思いますね。ちょっと感覚的なものなで、伝えづらいのですが(笑)。

ーーその後は、稽古での基本打ちでも「一歩遠間」を意識してたんですか?
梅山:実は、「一歩遠間」だと気づいたのは、大学に入学してからなんです(笑)。高校生の時は、その「ひらめきの面の感覚」を忘れないようにと意識してました。

ーーやはり、「孤独の坂道ダッシュ」や「コンクリートタイヤ引き」のお陰ですかね(笑)。
梅山:(無視して)これも後から気づいたのですが、その「一歩遠間」は、相手が「来ないだろう」または、構え直して次の打ちに準備する一瞬の「隙」の間合いなんだと思いました。ただ、その練習試合の時とまったく同じ感覚で「ひらめきの面」は、打てない事が多かったですけどね(笑)。

ーーそもそも小・中学校から、面は得意だったのですか?
梅山:得意ではあったのですが、絶対的な技ではなかったです。自信を持ち始めたのは高校に入って「払い面」を覚え、「ひらめきの面」からですかね。そして、得意技を身につけたことで、技や試合の組み立てに幅が持てるようになったと思います。

ーーいつからレギュラーになれたのですか?
梅山:最初のメンバー入りは1年生の終わりころ、第1回全国高校選抜の時に補欠になりました。その時、2回戦から先鋒で出させていただき、2位になりました。2年の夏までは基本的に補欠だったので、テレビ放映のある玉竜旗では、プラカードを持ってました。初めてテレビに映れたのは、そんな姿でした(笑)。それを見た地元の友達に、まったく悪気はないと思いますが「プラカード持ってたね」なんて言われて、勝手にスゴく悔しい思いをしたのを覚えてます。だから、「来年は絶対に出場する!!」って思いましたよ(笑)。

ーーやっぱりテレビで試合をする事が最大のモチベーションだったんですね(笑)。

「先鋒とは、必ず勝ってこなければいけない!」

ーー自分の剣道に、自信を持てるようになったのはいつですか?
梅山:2年生の冬に、九州大会個人戦で優勝した時です。

ーーでは調子の良いまま、第2回全国選抜・福岡予選に臨んだんですか?
梅山:それがですね〜、予選は先鋒として出場したにもかかわらず、1回も勝てなくて、決勝で福工大に負けました。自信過剰だったのかな(笑)。黒木先生に「先鋒とは、必ず勝ってこなければいけない!」と、こっぴどく叱られました。言われてからは、それまで以上に「勝ち」にこだわるようになりましたね。あの時は、本当に悔しかったですよ。車の中で泣きましたね。なんか、懐かしいな〜(笑)。

ーー黒木先生は怒る時、どんな感じですか?闘魂注入されるんですか??
梅山:全然手はださないんですよ。ただ・・・ 同じ九州ですが、福岡弁で怒られるのは怖かったですね〜。「そんな口調で怒るなら、殴ってくれたほうがいいよ」って何度も思いました(笑)。

ーー3年生になり、インターハイ予選を制した後、玉竜旗で優勝しました。念願のテレビ放映されたんじゃないんですか??
梅山:そうなんですよ!調子が良くて、トータルで25人抜きとかしたんですけど、注目される決勝だけは、引き分けでした・・・・(残念そうに)。

ーー準決勝も放映されたんじゃないですか??
梅山:いや〜、それが準決勝は、中堅から放送されたんですよ。まぁ決勝だけでも、映れたんでよかったです(笑)。

ーー話が進んでしまいますが、玉竜旗後の栃木インターハイでも優勝しています。決勝だけは、NHKで放送されたんですよね?
梅山:それが・・・ なかったんです・・・(これまた残念そうに)。バスケットボールの放映をしていたようです(笑)。

ーーあぁ〜残念でしたね〜(笑)。話が前後してしまいましたが、インターハイで優勝しました。やはり玉竜旗の勢いがあったのでしょうか?
梅山:ありましたね。

ーー優勝した感想は?
梅山:決勝で、あの「ひらめきの面」と全く同じ感覚で打てたんです!本当に、「三年間やってきてよかったな」って思えましたね。黒木先生も、褒めてくれましたし。あとは、「ホッとした」というのが本音ですね。

ーー「ホッとした」と言うのはどういうことですか?
梅山:さっきも言いましたが、「先鋒の役目=勝つ事」を達成できたということですね。当時、試合に関するデータを取っていたのです。先鋒(=梅山)が勝つと、チームの勝率が8〜9割というデータがあったのです。

ーーということは、そのインターハイでは梅山さん自身、負けなしですか?
梅山:予選リーグで1回負けました(笑)。チームとしては、なんとか引分けでした。そして、予選リーグは1勝1分けが2チーム、本数差で決勝トーナメントへ行きました。「やっぱりオレは負けちゃいけないな」とあらためて思い、決勝トーナメントからは、気合いを入れ直して、全勝しましたよ(笑)。
ーーテレビはなかったのは残念したが、優勝できて良かったですね!!


「テレビに映る」ことを目標とした結果、玉竜旗、インターハイ優勝、九州大会個人優勝などのタイトルを獲得した梅山少年。
後半では、大学入学から現在に至るまでを語っていただきます。


梅山義隆選手

梅山義隆(うめやまよしたか)
昭和50年12月3日生まれ 大分県出身
身長168cm 体重70kg
剣道六段
大分・三芳少年剣士会にて剣道を始める。
日田市立東部中学校
福大大濠高校 九州大会個人、玉竜旗、インターハイ 各優勝
専修大学 関東学生(団体)優勝、関東学生(個人)2位
NTT東日本 全日本実業団、関東実業団 各優勝3回
※全日本選手権 2回出場
※専修大学剣道部コーチ

※2010/3/17公開記事


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